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福利厚生が充実しているある職場で起きていること

25年以上勤めたお堅い職場を早期退職して、現在、小学生男子を育てながら主婦をしているまめさとです。
現在は単発で入れるスポットバイト(日雇い派遣)をたまーにやっていますが、今回は私がかつて働いていたお堅い職場の話です。

元職場は公的機関の性質が強かったので、給料はそこそこでしたが、福利厚生は充実していました。

短時間勤務や介護休暇の取得はもちろんのこと、育休などは非正規の人たちも普通に利用していました。
配偶者が海外赴任して帯同する場合は、一定期間休職できる制度などもあり、ごくまれでしたが、私の在職中にその制度を利用した人も知っています。

で、私が退職したのち、働き方改革の流れの下、さらにいろいろな制度が充実していきました。
配偶者の職の有無を問わず、男性が育休取得できるようになったことなどはその最たるものです。

制度ができただけでなく、こうした制度は積極的に利用されている模様。
ぱっと聞くと働きやすくいいことづくめみたいですが、ことはそう簡単ではないようで。

そうやってポコポコできた欠員をどうフォローしているのか元同僚に聞いてみたところ・・・。
「人員補充される場合もあるけど、そのまま補充されないこともある。というか、人が足りないので、補充されないケースが増えている」
ということらしいです。
それを聞いて、いやそれはまずいでしょっと思いました。

私が在籍していた頃から、女性比率が高い職場でした。
というのも、事務系職員の6割程度は非正規の方で、ここはほぼ100%女性。
正規事務職員の男女比は私が採用されたバブル崩壊期あたりから半々になってきて、なんなら女性のほうが多い年もありました。

ということは、育児休暇や短時間勤務をとる人がバンバン出てきます。
それに加えて男性育休の普及で短期から長期の休暇取得者も増え、同時にメンタル故障者も増加。
万年欠員状態とのこと。

本来、福利厚生を充実するなら、かなり余裕を持った人員配置をしなければならないのではないかと思うのですが。
しかし、従前の人員配置を維持したまま休職を大量に認めた結果、にっちもさっちもいかなくなり、できるだけ補充なしで頑張ってくださいとなっている状況とのこと。

なんでそんなことに、と思いましたが、元同僚曰く、人を補充しようにもお金がないらしい。
今般の物価高に加え、人件費高騰のあおりを受けて、ただでさえ人件費比率が高かったので、これ以上そこには割けない、と。
特に正規職員の数は増やせない、ということみたいです。

もちろん休職者分の給与は支給されないので、その分予算が浮いているはず。
したがって事情によっては、期間限定の非正規職員を雇ったりもしているそうなのですが、そもそも論として、知識と経験が必要となる主任や係長という立場の人が休職したら、その穴を簡単に埋めることができるはずもなく。
結果、周囲にかなりの負担がいき、心身をやられる人が増える・・・。

そうなると、若手でやる気がある人は入ってきても早々に見切りをつけてやめていく。
経済的なめどがついた中高年も早期退職などで辞めていく。
民間企業などを経てライフワークバランスを重視するタイプの人は残るけれども、長期の休職をすぐに取得する。
なんなら半年後に海外赴任帯同がわかっているのに、それを隠して就職して、就職後すぐに休職するという人が発生する。
みたいな事態になっているそうです。

その話をきいて、もはや関係のない身ではありますが、かなり心配になりました。
私も早期退職可能な年齢になってすぐに退職したので、あんまり大きなことは言えないのですが、それでもなんかもう少し職場事情みたいなものを考慮していた気が・・・。

まあそれだけみんなに余裕のない世の中になってしまっている、ということなのかもしれません。

だがしかし。
本当に大丈夫なのか、元職場。
離れたとはいえ、恩義は感じている元職場。

先進的な海外の事例を積極的に取り入れてます、という政府の政策にそって行った結果だと思うのですが。
しかし、海外の場合もっと個人の業務分担が明確で、義務と責任がシビアに追及されるので、ここまでグダグダにはならない気がするんですが。
福利厚生を充実させまくった結果、肝心の職場がぼろぼろに・・・みたいなことにならないよう、陰ながら祈っております。

本日の写真:むらさきかたばみ(カタバミ科)
あっちこちに咲いてますね~。

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