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社会人大学院生つれづれ⑥

私の専攻は社会福祉学。
選んだ理由は今の仕事に直結しているから、という単純なものです。もちろんそれだけではなく、私の関心のあるテーマと近い研究をされている先生がいたからというのもあります。

現役の大学生の頃は、全く違う専攻でした。大学を卒業後、紆余曲折あって今の職場に入ります。仕事が福祉系だったため、知識の無さを感じて、通信で大学と専門学校に行き、社会福祉系の資格を取っています。この時も社会人の学生をしていましたが、学んだのはかなり資格取得に偏った内容だったため、研究とは程遠く、物足りなさを感じていました。

そして私の関心のあるテーマは「コーダ」です。

コーダとは、CODA, Children of Deaf Adult/s、聞こえない親をもつ聞こえる子どものことを指します。私は聞こえますが、親は聞こえないので、私はコーダです。
両親は主に使う言葉は手話、そして聞こえない人特有の価値観などを持っていて、聞こえる人とはかなり違う存在です。思春期の頃の私は聞こえない世界と聞こえる世界に挟まれて、随分と思い悩んでいました。その答えを探して、マイノリティに関する本をたくさん読んだのを覚えています。
そう、コーダってマイノリティなんです。見た目にはわからないし、話をするようになっても、親のことを持ち出す機会はそうそうありません。
私はひょんなことから手話通訳の仕事をすることになり、そのおかげで聞こえない人に関する経験値が上がったことから、その思いは解消されていきました。

両親と暮らしていた家を出て、仕事や家庭、育児に忙しい毎日を送っていましたが、そのもやもやは形を変えてずっと私の心の奥深くにありました。その存在に気がついたのは、子どもたちが少し手を離れた時期です。
あぁ、私はこのことを言語化しなくちゃといつの頃からか思うようになりました。
経験として納得できたけれど、改めて言葉で整理したいと強く思ったのです。それはなぜなのかと尋ねられても、うまく答えられないのですが、「自分を深く知りたい」というのが近い答えだと思います。

ぼんやりとそう思うようになってから数年経ち、亡くなった祖父母に背中を押されて今に至りました。現在執筆中の論文で、その思いのほんの一部にすぎませんが、形にできそうです。

続きます。


#社会人大学院生  
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#コーダ   
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