焼却炉作り
家の裏には田んぼが広がっています。その田んぼと道路の間には用水路があって、その用水路と道路の間にはゴミ処理用のドラム缶が点々と並んでいます。
ちゃんと自治体が回収してくれるゴミ捨て場があるにも関わらず、燃えるゴミは全部そこで燃やします。リサイクルできる古紙やペットボトルもホイホイ燃やします。田舎あるあるなのか分かりませんが、悪しき習慣です。
それで、そのドラム缶で燃やすと、風向きによっては煙が自分の方に来てしまったりして煩わしいのです。だから父は、それをどうにかする為に焼却炉を改造する事にしたのです。
「焼却炉作るぞ」
と急に言われ、よく分からないまま手伝わされました。
父は図面を引いて、鉄板にチョークのようなもので印をつけました。高速切断器を用意し、私に「やってみ」と言いました。
高速切断機とは、回転砥石というクソでかい円盤状の石を高速回転させて、鉄などの硬い素材でできた物を切断する物です。
私は父に言われた通りに鉄板を切り始めました。切断機のトリガーを引くと凄い勢いで砥石が回転し始め、反動で持ち手が少し浮き上がります。意を決して回転する砥石を鉄板に押し当てると、回転してる方向に凄い勢いで無数の火花が飛んでいきます。
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