摩天楼

校庭にはいくつか遊具がありました。
定番のものだとジャングルジム、滑り台、ブランコ、トーテムポール、(ジャンプしても届かないくらい高いところにある)鉄棒。
ちょっと変わったものだと、木にロープを括り付けて、垂れ下がった先端に結び目を付けただけの「ターザン」もありました。垂れ下がったロープを掴んである程度木に登り、ロープの結び目に足をかけて飛び降りて振り子運動を楽しむだけの遊具です。
一時期ハマっていましたが、振り子運動の最中に無邪気な低学年の女の子が走ってきて、そのままその子の顔面に激突して吹き飛ばしてしまったことがあり、それ以降は遠慮しときました。
ターザンもそこそこ危険でしたが、もっとヤバいのがありました。それが「摩天楼」です。正式な名前は知りませんが、みんなその名前で呼んでいました。
かなり大きな遊具で、高さはジャングルジムと同じくらいです。真ん中に柱があり、そのてっぺんから地面に向かって半球状に鉄の骨組みが伸びています。パッと見、傘のような形です。
その骨組みは、柱を中心にして回転し、しかも傾きます。
基本的には、シーソーのように反対側にいる人を浮かせて楽しむものです。しかしシーソーは座って遊びますが、摩天楼はぶら下がって遊ぶものです。しかも傾けられる角度がシーソーの比でない上に、回転するので遠心力も加わります。
重い人や力の強い高学年と一緒に遊べば、こちら側が傾くたびに、簡単にジャングルジムのてっぺんくらいの高さまで浮き上がります。更に遠心力によって外側に引っ張られるので、うっかり手を離してしまえば軽く5〜6メートルは吹き飛ばされるでしょう。

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