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ボクのワタシの今年の1枚/あの日は当たり前のように

「もうすぐ選手が通ります!
危ないので下がってくださいー!」

箱根駅伝の選手を先導するパトカーと白バイが
アナウンスしながら何台も通る
沿道の人々は往路最終区の選手を今か今かと待つ

配られた旗を早くも振り始めたり、アプリやラジオ、ワンセグなどで選手の位置を確認したり

隣の人との距離を意識する人も、マスクをしている人も数えるほどしかいない
ここにいる人々は皆、選手がやってくる方向を
ただじっと見つめる

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ここ数年、ありがたいことに年末年始を
箱根で過ごしている。

2019年から2020年を迎えるときも、
例年と同じように箱根にいた。
当たり前のように。

少し違ったことと言えば前の年よりも
気持ちが高揚していたことくらい。
一生に一度巡り会えるか会えないかの
自国開催のオリンピックイヤー。
節目の年でもあり、素敵な、特別な1年になると
当たり前のように思っていた、2020年。

そう、きっと誰もがより特別な1年になると信じ、
期待に胸を膨らませていた2020年の幕開け。

写真は、2020年1月2日木曜日 午後1時ごろ
駅伝選手の応援をしようと沢山の人が
わくわくドキドキしながらその時を待っている
箱根湯本駅前。

この中の誰も「3密」という単語をまだ知らない。
当たり前のように人波の中にいて、
ウイルス感染への恐れなど皆無で、
心置きなく箱根駅伝に集中している世界。

マスク無しで外にいることがもはや懐かしく思える。
この光景がこんなにも特別で羨ましく思うことになるなんて、1年と1か月前のわたしは思ってもみなかった。

当たり前なんてないんだ、と実感するときは
いつだって何か大きな出来事が起こったときか、
時間が経ちすぎてふと振り返ったときばかり。

でも、本当は当たり前なんて存在しないのかもしれなくて、
だから、あの日当たり前のように
家族で年越しを過ごせたことに
今さらながら感謝の気持ちが沸き上がってくる。

この写真のように、綺麗な冬晴れの空の下で、
何の脅威にもさらされず、箱根駅伝の応援ができるくらい
平和な生活が早く訪れることを切に願って。

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あとがき

クリスマスまでわくわくしながらカウントダウンするイベントなのに、しんみりした内容になってしまいましたが
今年はコロナの影響で出掛けることが少なかったので
写真を撮る機会もほとんどなくて…
でも、この写真を見つけたとき、
なにかを忘れちゃいけないような気持ちになったので
この写真を選びました。
12/25までにどんな写真を見られるのか楽しみです!
参加させていただきありがとうございました!

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