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2022/05/15 教えて予報士さん

①梅雨前線と秋雨前線の違いはなんですか?

1番の違いは時期的なものである。沖縄・奄美が梅雨入りしてから全て梅雨明けするか、立秋を迎えるまでに存在する前線が梅雨前線。立秋を過ぎてから存在する前線が秋雨前線という。

梅雨前線は遠く離れたインド洋などから湿った空気が流れ込まれるため、湿った空気がダイレクトに当たる西日本などで強い雨を降らせる。
雨は西日本ではザーザー・ゴーレベルで降る一方、東日本ではシトシト降る。
西日本では蒸し暑い一方で、東日本では東から冷たい空気が入ることで比較的寒い体感となる。
梅雨前線はオホーツク海高気圧と太平洋高気圧の間でできることが多く、
秋雨前線は移動性高気圧と太平洋高気圧の間でできることが多い。
梅雨前線は南から北に北上、秋雨前線は北から南に南下する。

梅雨前線は太平洋高気圧のパワーが強いため梅雨前線の活動も活発化するが、秋雨前線の時の太平洋高気圧はパワーは比較的小さいため活動は小さめ。
しかし、雨の量は西日本が梅雨前線の時の方が多く、東日本は秋雨前線の時の方が多くなっている。これは西日本は梅雨前線では比較的激しく降るため雨量が多くなるが、秋雨前線の時期は台風の影響により相対的に東日本で雨量が多くなっていると考えられる。

梅雨前線はイワシ前線(梅雨イワシ)。秋雨前線はさんま前線(秋の秋刀魚)

②東西の天気変化より南北の天気変化の予測が難しい理由は?

天気予報を外しやすい時期は梅雨時が多い。ここ数年は比較的当たるようにはなってきたがまだ外す場合がある。

東西の天気変化の場合は、偏西風の風に乗って低気圧や高気圧が西から東に移動していく。低気圧は時速30-40km/hで動くため、1日少しくらいで九州から東京まで進む計算となる。この場合はいずれにしても雨は降り、雨が降るタイミングが違うだけである。体感的に雨が降っただけで当たったという感じはするためハズレ感は小さい。

梅雨前線は5−8月にかけて南から北に北上していく。
梅雨前線の753の法則 とは
梅雨前線から300km:雨、500km:ドン曇り、700km:薄曇り、以降晴れ
というものであり、梅雨前線からの位置によって雨や晴れ曇り感が細かく異なる。
またジェット気流と違い、梅雨前線を動かすのはオホーツク海高気圧と太平洋高気圧の押し合いのため複雑であり、南北の天気変化は予測しずらい。

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