子育てがくれたもの③

出産後５日で退院
まだ身体も戻ってない
不安しかなかった

相変わらず母乳が出ない
たまに出ても少しだけ
ミルクを作る度に涙が出た

退院後は実家で過ごした
右も左もわからないまま育児が始まった

子どもは泣いて意思を表す
眠い
お腹がすいた
オムツが気持ち悪い
なんか泣いてみた
抱っこして

その度に抱っこをしたり
ミルクをあげたり
オムツを見たり

何度か繰り返すと何となくわかってきた
今度はミルクかな
今度はオムツかな

それでも泣き止まない時がある
何をしても泣いている
抱っこするのも疲れて
自分の眠気との闘い
お腹もすいてきた
そう言えば朝ごはんを食べていなかったな

いったいどうしたら泣き止むの？

一階にいる両親は　
こんな事が起きているとは知らずに
テレビを見ながら大笑い
泣き声が聞こえているはずなのに
誰も助けてくれない
泣き止まない子どもを抱きながら号泣した

子どもを投げつけてしまおうか
ふとよぎった

この瞬間に思い留まるか思い留まらないか
一瞬の差だと思う
あの時、投げつけていたら...
今でも考えるだけで恐ろしい

いま冷静に考えると
泣き止まない子どもを連れて
一階にいる両親に頼れていたら
何の問題もなかったはず
「助けて」
「どうしたらいいの？」
と言えていたら
何の問題もなかったはず

どうして　
「助けて」が言えなかったのだろう

きっと
立派な母親にならなきゃ行けないと
頑張りすぎていたのかもしれない

もっと周りを頼って
自分を責めないで育児ができたら
少しは余白が作れたのかもしれない