文章を作る。

私がまさか、何かしらの文章を書きたいと思う日が訪れるとは。
つくづく、人間は当てにならない生き物だと思う。

それは、私が幼いころパンジーの花が嫌いで嫌いで「絶対、パンジーを好きになることはない一生。」と心に誓ったあの日から20年以上経ち、いつの間にかパンジーも悪くないなという境地になったことと似ているかもなと考えている。

むしろ、パンジーを見て心の中でカワイィと呟けるほど、私の好きなお花ランキング上位に喰い込んできた。

あの頃の自分に言ってあげたい。
人の好みなんて、いつの間にか変わるよ、と。

パンジーを嫌いだった理由は、ただ見た目が怖いから。
ただそれだけ。
花の部分が人の顔に見えて何とも不気味だった。

小学生の好き嫌いなんて、そんなものだ。
でも幼き頃の私は、至って真剣にパンジーを嫌っていた。

今は花を愛でることを覚え、仕事帰りにたまには花でも買って帰るか。と一人暮らしの部屋に飾る花を選びに花屋に寄っちゃう系の大人になった。
特にパンジーを好きになったきっかけがあるわけではないが、気づくと好きになっていた。
花が人の顔に見えるという何とも子供らしい発想が失われただけと言ってしまえば、それまでだが。

店先にパンジーの苗が姿勢良く並んでいるのを見ると、あの頃の自分を思い出す。

そして、もう一つあの頃の自分に言ってあげよう。
あれだけ嫌っていた作文を、アラサーのあなたは無性に書きたくなって、急にnoteという今どきのアプリに文章を投稿しだすぞ、と。


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