34歳独身実家女の日常。 私が住んでるのは、田舎というほど長閑な田園風景が広がっているわけでもなく、かと言ってビルが立ち並んでいる大都会でもない、まあ住むには丁度いいよねって友達に気を遣われながら言ってもらえる程度の町に産まれてこの方住んでいる。 だから、近所付き合いが希薄になっただの、少子化だのという世間の声をよそにこの町にはかろうじて昔ながらの営みが残っている。 ご近所さんの顔はだいたいわかるし。お裾分け文化も残っているし。切らした醤油はちょっと貸して〜って隣に借りに
うちは４人家族。 ひょんなことから、犬を飼うことになった。 2匹。 名前を決める家族会議が開かれた。 ああでもない、こうでもない。 それぞれいろんな案を出すが、全然決まらず険悪な空気になり、次の日まで持ち越された。 私は次の日同僚に、昨日の家族会議のことを話した。全然意見がまとまらず、重苦しい感じで会議は中断しているのだと、呆れた感じで伝えた。 同僚は言った。「仲良いねえ。」 私は真剣に、家族の愚痴をこぼしていたのにもかかわらず。仲が良いとは？どういうこと？ 犬
わたしは昔、空港で働いていたことがある。 到着ロビーは飛行機を利用していない人は入れないため、出口の外でお出迎えの人は待っている。 飛行機が到着し、荷物を受け取る到着ロビーはガラス張りで、お出迎えの人の顔は見えるが声は聞こえない。 そんななか、お客様の一人がガラスの前に近づいて、知り合いに手を振っている。 そして、お互いに手話を始めた。どちらか一方が聞こえないのか、2人ともなのか私にはわからないが、これを見たとき声が聞こえなくても会話できるってすごっ。と気づかされた。
私がまさか、何かしらの文章を書きたいと思う日が訪れるとは。 つくづく、人間は当てにならない生き物だと思う。 それは、私が幼いころパンジーの花が嫌いで嫌いで「絶対、パンジーを好きになることはない一生。」と心に誓ったあの日から20年以上経ち、いつの間にかパンジーも悪くないなという境地になったことと似ているかもなと考えている。 むしろ、パンジーを見て心の中でカワイィと呟けるほど、私の好きなお花ランキング上位に喰い込んできた。 あの頃の自分に言ってあげたい。 人の好みなんて
