さかなの涙坂
通勤路の間に、僕がよく泣き始めてしまう坂がある。上り坂なのだけれど、よくテールランプが滲んで、お魚のヒレみたいになる。
もしこれが、海から陸へ向かうための坂だったとしたら、お魚はまだ見ぬ景色を求めて必死で逆流しているのだろう。
悲しいこと、苦しいことを思い出したり、好きだったものを嫌いにならなきゃいけなかったり、必要以上に「自分が悪い」と思って苦かったりする。
泣くと「疲れてるのかな。」と思う。実はそうでも無いことも多い。なぜ泣いてしまうんだろう。
目にいっぱいの涙を溜めて、必死に次の呼吸を探す。「死ぬかも。」なんて思いながら、少し軽く深呼吸をしてみる。
もし、この涙で何かが救われているのだとすれば僕は明日も生きていけるのだと思う。
追記:帰ってから起きれなくなってしまった。お風呂にも入れない気がする。汚いから頑張らなきゃいけないけれど…