Ankiを使いこなす!① 〜導入・アドオン・設定〜
「Anki」とは
Ankiとは、要はフラッシュカードみたいなもので、昔英単語をおぼえるのに手書きで書いたカードをペラペラめくってたあれが、デジタル化されたようなアプリである。
普通のフラッシュカードアプリと何が違うのかというと、「忘却曲線」と「分散学習」を活用して、覚えていない単語を頻繁に出題したり、忘れそうな単語を忘れそうな時に出題してくれる超効率的な機能をもっているのである。
このアプリを使っているだけで、簡単に短期記憶から長期記憶へと変えてくれて、覚えた単語を忘れにくくしてくれる。
また、豊富なアドオン、音声出力対応、あらゆる端末で同期可能であり、いろんな場所で隙間時間を利用したり、カスタマイズしたりできる。
Ankiの種類
iOSアプリ「AnkiMobile Flashcards」だけが3060円、そのほかは無料。
個人的にはお金を払う価値があると思ったので、iPhoneでアプリを購入した。
アプリはファミリーで共有できるので、iPadやiPhoneなど空いている端末でAnkiを使える。つまり、家族もAnkiをいつでも使える状況にすることができる。
基本的に作成・学習ができるPCアプリ版があればよい。もし、どこでも学習がしたいのであればスマホ用アプリをダウンロードするとよい。
導入方法
1.公式サイトにアクセス
2.ユーザー登録
登録したメールアドレスにメールが送られてくるので、開く。
以上で登録完了
3.PC版アプリのダウンロード
HOME画面から下にスクロールすると「Download Anki」があるので、使用PCに合わせてWindowsかMacのタブを選択する。
・Windows版の場合
・Mac版の場合
インストール後、登録したユーザー情報を入力する。
ログイン後使用可能になる。これで導入完了。
スマホでも使いたい場合はスマホからアプリをダウンロードする。
アドオンの導入
アドオンとは拡張機能のことで、Ankiに新しく機能を追加できる。
追加方法
*Macでの説明
1.ツールのアドオンをクリック
2.新たにアドオンを取得
3.コードの欄に数字を入力しOK、再起動すると反映される。
おすすめアドオン
この記事が参考になる
わたしが導入しているのは↓
数字はコードなのでコピペして使う。おすすめ順で並べた。
・Hyper TTS
カードに自動音声読み上げファイルを追加 必須
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・Review Heatmap
デッキ画面に学習カレンダーを追加し、可視化できる。 おすすめ
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・Fastbar- with nightmode support
検索画面にアイコンボタンを追加 おすすめ
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・Image Occlusion Enhanced
画像の穴埋めカードを作成可能 穴埋め問題作成の場合は必須
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・Advanced Browser
検索画面の列に、フィールド名やステータスを追加できる。 おすすめ
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・Button Colours (Good, Again)
回答ボタンの色を変えることができる
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・More Decks Stats and Time Left
デッキ画面に追加情報を表示
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・Clickable Tags
カードにクリックできるタグを追加できる
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・Custom Background Image and Gear Icon
壁紙やデッキ横のアイコンをカスタマイズ可能
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・Colorful Tags (+ Hierarchical Tags)
検索画面のタグをカラフルで見やすくする
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・Highlight Search Results in the Browser
検索結果を強調表示できる
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・Edit Field During Review
レビュー中にカードを直接編集できるようになる
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設定内容/おすすめ設定
設定の前に
大前提としてAnkiは3つの状態に分類される。
・未着手状態の「新規カード」(青)
・1回でも着手した「習得中カード」(赤)
・ある程度記憶した「復習カード」(緑)
つまり、
「新規カード」→「習得中カード」→「復習カード」
と遷移していく。
設定方法
デッキ一覧で、いずれかの歯車マークをクリックし、オプションを選択する。
1日の上限
・一日の新規カード導入枚数の上限
「新規カード」を1日に何枚するか。
負担にならないように30に設定しているが、記憶するには大量のカードを何回も何回も繰り返すほうが効率が良いので適宜大きな数字に変更しても良い。
大量の新規カードを導入した際に、一気にやる場合は上限値9999でもいいし、負荷が強い場合は抑えてもよい。
・1日の復習枚数の上限
「習得中カード」「復習カード」を1日に何枚するか。
「習得中カード」が優先的に候補になる。
基本的には復習カードは全てやるのが望ましいので上限値9999でも問題はないが、カードが大量の場合負荷が強いので、300くらいに設定した。
・復習枚数の上限に関係なく新規カードを導入する
この設定はコレクション全体に一括で適用される。
このオプションがオフ(デフォルト)の場合、復習期日を迎えたカードの枚数が、復習枚数の上限に達している場合、その日に新規カードは導入されない。
このオプションがオンの場合、復習期日を迎えたカードの枚数が、復習枚数の上限に達しているとしても、それはそれとして、新規カードが導入される。
新規カードを優先する場合はオン、復習を重視する場合はオフにするとよい。
・上限をメインデッキから適用
この設定はコレクション全体に一括で適用される。
このオプションがオフ(デフォルト)の場合、各枚数の上限は、学習を開始する際に選択したデッキの設定が適用され、その範囲内で、そのサブデッキの設定が適用される。
このオプションがオンの場合、各枚数の上限には、最上位のデッキ(メインデッキ)の設定が適用され、その範囲内で、そのサブデッキの設定が適用される。
「メインデッキではない個々のデッキを選択して学習していきたいが、メインデッキ全体についての枚数上限を超えないようにしたい」という場合に適した方法。
特に不都合がなければオフでよい。
新規カード
・習得ステップ
「新規カード」「習得中カード」の状態で「もう一度 (Again)」を押したら「1分後」に、「正解 (Good)」を押したら「10分後」に出題される。
「10分後」の出題に「正解 (Good)」を押すと、状態が「復習カード」になる。
つまり正解しない限りずっと1分後に出題され、「習得中カード」のままである。
また、「1m 5m 15m」とステップを増やす事もできる。
その場合は以下のようになる。
デフォルトの「1m 10m」で設定。
・習得ステップ終了後の最初の復習間隔(日)
上記のステップを完了し、最初に「復習カード」になった状態から、次に出題されるまでの日数。デフォルトの1日で設定。
・「簡単」と回答後の最初の復習時間
「簡単 (Easy)」ボタンが押され、「習得中カード」から「復習カード」へと直ちに切り替わった場合、そのカードが再び出題されるまでの日数。デフォルトの4日で設定。
・配置順序
新規カードを追加したときにそのカードに割り当てる位置(新規カード番号)の決め方を選択できる。新規カード番号の数字が小さい順にカードは習得学習で表示される。
この設定を「追加順」のままにして、代わりに、以下に説明する「表示順序」カテゴリーの「新規カードを集める順序」オプションで順序を設定することをお勧めする。
復習での忘却
・再習得ステップ
「復習カード」状態で「もう一度 (Again)」を押すと、再び「習得中カード」へと戻る。(再習得ステップ)
「もう一度 (Again)」を押してから何分後に、その単語を復習するかの設定。10mで設定。
設定した時間後の出題を正解すると、「復習カード」状態に戻る。
ステップを追加可能で、「5m 10m」と記載すると以下のようになる。
・復習再開時の復習間隔の下限(日)
再学習ステップを完了した後にそのカードが再び表示されるまでの最短日数。1日で設定。
・苦戦(忘却多発)カードと判定する、復習での忘却回数
復習カードに何度「もう一度」ボタンを押せば「苦戦(忘却多発)カード」と判定するか、を示す回数。15回に設定。
・苦戦(忘却多発)カードへの処置
「苦戦(忘却多発)カード」に達すると以下の処置を行う。
タグのみ:そのノートに「leech」というタグを付け、注意を喚起するためにポップアップを表示する。
カードを休止:上記の操作に加えて、カードの表示を無期限で休止。手動で休止を解除するまではカードを学習画面に表示しない。
カードを休止されると表示されなくなるのでタグのみに設定する。
表示順序
・新規カードを集める順序
デッキの並び順(上から): 最初は選択したデッキ自体のカードを集め、次に、一番上のサブデッキのカードを集める。各デッキ内のカードを集める順序は、位置(新規カード番号)の昇順(次項参照)となる。
位置(新規カード番号)の昇順: 追加時に各カードに割り当てられた位置(=新規カード番号)の数字が小さい順にカードを集める。通常は、各カード中で最初に追加したカード(最古のカード)から集められていく。
位置(新規カード番号)の降順: 追加時に各カードに割り当てられた位置(=新規カード番号)の数字が大きい順にカードを集める。通常は、各カード中で最後に追加したカード(最新のカード)から集められていく。
ランダム(ノート単位): ランダムに選んだノートからカードを集める。
ランダム(カード単位): 完全にランダムにカードを集める。
「デッキの並び順(上から)」に設定した。
順番で覚えてしまうのが嫌な人は、「ランダム(カード単位)」に設定
・集めた新規カードを並べる順序
カードタイプ順: 「カード 1」「カード 2」といったカードタイプごとにグループ分けをし、カードタイプの数字順に、グループごとにカードを表示。
同じカードタイプどうしのカードは、集めたときの順序で表示される。これに設定した。
集めたときの順序: カードを集めたときのままの順序で表示。
カードタイプ順→ランダム: 「カードタイプ順」と同じくカードタイプの数字順にグループ分けをするが、各カードタイプのグループ内のカードをランダムな並びで表示。
ランダム(ノート単位)→カードタイプ順: ノートをランダムに並べ、ノートがカードを複数持つ場合(つまり、兄弟関係のカードがある場合)はそれらのカードをカードタイプ順に表示。
ランダム(カード単位): 集めたカードを完全にランダムな並びで表示。
・新規カード表示のタイミング
新規カードを、復習カードとの関連でいつ表示するのか選択できる。
「復習に混ぜ込む」に設定。
・日をまたいだステップの習得中(再習得中)カード表示のタイミング
「現時点のステップが日をまたいでいる習得中(または再習得中)カード」をどのタイミングで表示するかを選択できる。「復習に混ぜ込む」に設定。
・復習カードを並べる順序
デフォルトでは、最も長い期間待機しているカードが最初に表示されるよう、待機日数が大きい順にカードを表示する。 復習カードが蓄積してすべてのカードをこなすのに数日以上を要する場合や、あるいはサブデッキの順番でカード学習をしたい場合など、状況や好みに応じて別のソート方法を選択することができる。
デフォルトの「期日超過日数が多い順→同日数はランダム」に設定。
兄弟関係のカードの非表示
・兄弟関係の新規カードを同じ日に表示しない
学習したカードと兄弟関係のカードが、新規カードである場合、そのカードを表示する順番がきたとしても同じ日には表示を行わず、翌日から表示を再開する。オフに設定し同じ日に表示させる。
・兄弟関係の復習カードを同じ日に表示しない
学習したカードと兄弟関係のカードが、復習カードである場合、そのカードを表示する期日に達していても同じ日には表示を行わず、翌日から表示を再開する。オフに設定し同じ日に表示させる。
・兄弟関係の習得中カードで、ステップが日をまたいでいる場合は、同じ日に表示しない
学習したカードと兄弟関係のカードが、習得中カードである場合で、そのカードの現時点のステップの間隔が日をまたいでいる場合は、同じ日には表示を行わず、翌日から表示を再開する。オフに設定し同じ日に表示させる。
音声
・音声を自動再生しない
カードの質問側・解答側それぞれを表示したタイミングでの音声の自動再生を行わない。オフにして、自動再生をする設定。
もちろんマナーモードだと音声はでないので安心。
・解答側を表示後の「音声を再生」アクションでは、質問側を再生しない
カードの解答側(裏面)をすでに表示した後に「音声を再生」アクションを選択した場合に、質問側(表面)の音声ファイルも再生するのかどうかの設定。
オフにして、再生をする設定。
タイマー
・最長回答秒数
カード学習に要した時間として記録する1件の回答の最長秒数。
60秒で設定。
・回答タイマーを表示する
カード学習画面に、表示中のカードの回答秒数をカウントするタイマーを表示する。気になるのでオフに設定。
・解答表示でタイマーを停止する
この設定はあくまでタイマーのカウント表示についてのものであり、カードへの回答秒数についての統計には影響しない。オフに設定。
カードの自動送り
・解答を表示するまでの秒数
カードの質問側が表示されてから、解答側が自動で表示されるまでの秒数。
自動表示無効の「0」を設定。
・解答を表示し続ける秒数
カードの解答側が表示されてから、自動回答アクションを適用するまでの待機秒数。
自動回答アクション無効の「0」を設定。
・音声再生終了を待つ
解答を自動的に表示する前、または自動回答アクションを行う前に、音声の再生が終了するのを待つ。オンに設定。
・自動回答アクション
ユーザーが回答などの操作を手動で行わず、自動的に次のカードに進む前に、現在のカードに対して実行するアクション。
自動回答アクション無効に設定しているため何でもよい。
高度なオプション
・FSRS
Free Spaced repetition schedulerの略
Ankiヘビーユーザー向けで、初心者にはおすすめしない。オフに設定。
・復習間隔の上限
復習カードが再び表示されるまでの日数の最大値。
学習負荷がかからないように36000(100年)に設定
・復習開始時の「易しさ」〔復習間隔の前回比〕(倍)
習得ステップを修了した際にカードに設定される、復習間隔の広がり方を定める乗数。「易しさ」の初期値。デフォルトの値2.50で設定。
デフォルトの値2.50の場合、習得ステップ修了後の最初の復習で「正解」と回答すると、そのカードの次の復習までの間隔は、その時の復習までの間隔の2.5倍となる。
・復習で「簡単」と回答した場合のボーナス〔「正解」比〕(倍)
復習カードに「簡単」と回答した場合に、そのカードの復習間隔に追加して適用される乗数。デフォルトの値1.30で設定。
デフォルトの値1.30の場合、習得ステップ修了後の最初の復習で「簡単」と回答すると、そのカードの次の復習までの間隔は、「正解」と回答したときに比べ1.3倍となる。
・復習間隔の一括調整(倍)
ここで設定する乗数はすべての復習に適用され、Ankiのスケジューリングの間隔をお好みに合わせて微調整することができる。
デフォルトの1.00倍に設定(調整なし)
もし、定着率が悪い場合は1以下に設定して、間隔を短くしても良い。
・復習で「難しい」と回答した場合の間隔〔前回比〕(倍)
復習カードに「難しい」と回答した場合に、復習間隔に適用される乗数。
デフォルトの値1.20で設定。
・復習再開後の復習間隔〔前回復習比〕(倍)
復習カードに「もう一度」と回答した場合に、復習間隔に対して適用される乗数。
デフォルトの値0.00で設定。
デフォルトの値0.00の場合「復習再開時の復習間隔の下限(日)」が1日であれば、1日後の復習になる。
さいごに
「Anki」の導入から設定まで解説した。
次回はデッキ関連の解説!
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