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2021年11月11日放送坂本サトル『ひとりミリオン』(レコーディングのこと)

坂本サトルさんのラジオ番組『坂本サトルのひとりミリオン』(FM青森 毎週木曜21:45~)のリスナーです。
サトルさんが、ご自身の楽曲について語る言葉を記録していきたいと思い、noteを始めました。
読んでいただいたメールと、サトルさんのコメントを記載します。

2021年11月11日 放送『坂本サトル ひとりミリオン』より
(以下、まめきちのメール)

こんばんは。
ブログにお姿が見えなくなって久しくなりました。
きっとスタジオに篭って作業していらっしゃるのですね。

最近のラジオで、何曲かライブアルバムの音源をかけていただいて、
アルバムへの期待が高まります。
ライブアルバムというと、会場の空気やその時の雰囲気によって、同じ歌でも、既発のCDの楽曲とは聞こえ方が異なってくるのが魅力でもあると思います。

ところで、以前読んだ某アーティストの本のなかで
「レコーディングの時は、ほぼ初めてその歌を歌っている状態で録音しているわけだから、CDに収録されている歌というのは、ぜんぜん歌い込まれていない、言うなれば1番下手な状態なわけで、ライブで何回もお客さんの前で歌われた歌が本当は一番うまい」といった意味合いのことを仰っており、CDが1番下手な状態とは考えたこともなかったので、びっくりたことがあります。

また一方、これは、シンガーソングライターKANさんが何かのインタビューで仰っていたと思うのですが、
「どんなに練習して緻密にレコーディングしても、デモ音源で作った荒削りな演奏と歌の、勢いや魅力をなかなか超えられないと思う時がある」
というような意味合いのことを仰っていた記憶があります。

また、先週のラピアの公開放送で歌われた『天使たちの歌』も、
こういうタイミングじゃないと録れない歌だったとサトルさんが仰っており、音楽をパッケージするというのは、なかなか奥深いものだなぁと思いました。

ライブアルバムでは、その時々の背景にも思いを馳せながら聞いてみようかなと思いました。

(ラジオネーム まめきち41)

*************
以下、サトルさんのコメント引用)

ブログ、10日くらい書けてないですね。。
こういう言い方するとSNSとかブログを一生懸命やっている人に申し訳ないけど、ヒマじゃないと、時間がないと全然できないよね。ほんとに。全然時間がないのよ。やっぱりいい加減に書きたくないっていうのもあるし。
構えれば構えるほど全然書けなくなっていくね。
もうちょっと、いま忙しいのが終わったらまとめてアップします。今までの最高記録は、一か月分いっきにアップしたっていうのがありますから。30日分を(笑)。ちょっと気長に待っていてください。
まさに今、スタジオに籠ってますね。

(メールの内容について)これ、どっちもよく言われることなんですよね。うん。ライブで何回も歌っている方がいいっていうこともあるんですけども。これはね、確かにふつうに考えたら、曲って、できてすぐレコーディングすることが多いから、歌いこんでない状態だよね。何年も歌いこまれた方がいいっていう意見ももちろんあるんですけど。
俺はですね、ときどきなんですけど、「レコーディングを超えられない」っていうことがあるのよね。
一番最初の、歌が生まれた時のよろこびとか、それが爆発して、生まれた瞬間のエネルギーみたいなものを、あとからどんなにやっても超えられないみたいなこともあって。
KANさんが仰っている「デモテープが一番いい」っていうことに近いかな。これもよく聞くやつなんだよね。
デモテープが一番いい。だけどそれをそのまま作品としてリリースするには、いろいろ条件が整っていないとか、変なノイズが入っているとか、そういうのもあって、世の中に出ることはほとんどないんですけど。
だから、これは、どっちもあることだと思っていて。

JIGGER'S SONの『SOUND OF SURPRISE』っていうアルバムが、ほんとに不思議な感じで、デモテープを撮っているような、曲が生まれる幸せに満ち溢れた瞬間がありながら、だけどレコーディングなわけでね。それがね、いい具合で、デモテープの良さみたいなものが、録れちゃったアルバムなんですよ。たとえば、『カルカロドン・メガロドン』とか、『A・Iジョー』っていう曲は、あの時が一番いいんじゃないかって、思っているんだよね。あのときの、曲ができたっていう「うわぁすごい曲できた!」っていう興奮のまま歌った感じという。たった30分前にできた歌詞だったんですけど。それがなかなか超えられないんですよ。
聞いてもらいましょう。JIGGER’S SON『SOUND OF SURPRISE』に収録されています。『A・Iジョー』。
(曲のおわりに)
これがね、歌いこむとだんだん変なクセがつくことがあって、レコーディングが一番シンプルで素直に歌っているっていうのが、ときどきあるのよね。歌いこめばこむほど、なんか変なクセがつくっていうのは、シンガーはみんな経験したことだと思います。だからおれはこれ(音源)をずっと目指してうたっているんだけどね(笑)、ライブのときは。
はい。ライブアルバム、お客さんの声と拍手が入っていないっている、ライブアルバムとしての大事な要素が欠けているアルバムではあるんですけれども、ただ、コロナ禍っていうのがどんなときかっていうのをちゃんとパッケージしている。お客さんの声、手拍子も入らなかったっていう、そういう1年だったなっていう。それがパッケージされていますので、ぜひ、楽しみにしていてください。
坂本サトルでした。
(引用おわり)


思いがけず、サトルさんのレコーディング論がきけておもしろかった回でした。
JIGGER’S SONの『SOUND OF SURPRISE』について、「曲が生まれる幸せと興奮に満ちた瞬間が収録されているCD」なんていうのは、本当にすばらしいレコード評ですよね。しかもJIGGERS' SONの復活1枚目のアルバムで。

■JIGGER'S SON / SOUND of SURPRISE(ポストカード付き!) - 坂本商店 web Market (shop-pro.jp)

JIGGER’S SONの演奏ではありませんが、『カルカロドン・メガロドン
坂本サトル - カルカロドンメガロドン(JIGGER'S SON self cover. YouTube LIVE 2020 ver) - YouTube


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