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坂本サトルさん執筆のミニエッセイ「リクオさんと1時間」のこと

坂本サトルさんと、ローリングピアノマン・リクオさんのツーマンライブが、
今週末に白石カフェミルトンで行われます。

★2023年11月18日(土)、19日(日) 宮城県白石市
「リクオと坂本サトル atカフェミルトン2days〜再生の再会」

リクオさんとのツーマンライブ2DAYS決定!各公演とも限定35名!
病床から奇跡の生還を遂げたミルトンママに会いに行こう!
*会場:白石カフェミルトン
*時間:18日 open17:30 / start 18:00
    19日 open 16:30 / start 17:00
*料金:全席自由前売¥5,500(1drink別)各公演とも限定35名
*会場住所:宮城県白石市八幡町6−18−1
*会場電話:0224-26-1436
*予約受付スケジュール(入場整理No.付チケット)
●一般予約受付:■「リクオと坂本サトル atカフェミルトン2days 再生の再会」一般予約 - 坂本商店 web Market (shop-pro.jp)

坂本サトルさん本人が執筆し、サトルさんの最新情報やエッセイが届く「サトルからのメール」。

2021年7月10日に配信された「サトルからのメール10通目」に、
サトルさんの敬愛するミュージシャン、リクオさんのことについて語られたエッセイが掲載されていました。

2021年当時、長引くコロナ禍でなかなか有観客ライブが再開できないことへの焦り、ツアーに動き出しているリクオさんへの賞賛と尊敬、羨望。そんな中でも音楽を続けていくための知恵、そして希望が記載されており、この頃のいろいろな状況を思い出し、胸が熱くなりました。

実際、サトルさんが本格的な有観客ライブを再開したのは、このエッセイから約1年後、2022年7月30日カフェミルトンでのライブまで待つことになります。

サトルさんとリクオさんはその後、2022年10月23日に青森で行われたリクオさんの酒場ライブで、サトルさんが会場の音響スタッフを務められ再会を果たしますが、
2人でライブを行うのは、2015年以来約8年ぶりでしょうか?(違っていたらすみません)

会場となるカフェミルトンは、リクオさんもサトルさんも以前よりたびたびライブをおこなっていた場所であり、
今回のライブは、今年の夏にご病気で療養されたミルトンママの復帰祝いという意味も込められています。

コロナ禍を、知恵と勇気で、それぞれのやり方で乗り切ったお二人が、どんな音楽的化学反応を生み出すライブを見せてくれるのか、とても楽しみです。

ミニエッセイ第8回「リクオさんと1時間」
(2021年7月10日「サトルからのメール」掲載)

先日、敬愛するシンガーソングライターで旅するピアノマン、リクオさんから電話が来た。
「久々に話したいと思ってね」といつもの声。久々だったこともあって1時間も話してしまった。
コロナ禍でほとんどのミュージシャンがツアーが出来なくなり悶々とした日々を過ごす中、いち早く有観客でのライブ、ツアーを始めたのがリクオさんだった。

周囲の目や声、それらを予想し、受け入れた上でそれでも旅に出たリクオさん。
SNSで伝えられる過酷な状況の中でステージに立つ覚悟と、この時期にお客さんと対峙した者にしか味わえない充実感。
いち早く始めた配信ライブのクオリティは他に比べて群を抜いていた。
それらに対する賞賛と、深い尊敬の気持ちを先に話した後「リクオさんを見ていると焦ります」と、正直な気持ちも伝えた。

このコロナ禍で何を考え、どう動いたのか?で、コロナが明けた後に大きな差が出ると思う。
ミュージシャンだけに当てはまる話ではないだろうけれども。

僕なりにこの時期を乗り切るための知恵と勇気を必死に絞って行動してきたつもりだ。配信ライブについては、ある種のブランディングに成功したという自負もある。しかし圧倒的にやってこなかったのが有観客でのライブだ。

確かにこの時期、有観客でのライブは難しい。しかしすでに動き出しているアーティストはたくさんいるし、会場やイベンター等、現場サイドもコロナ禍でのライブ開催のノウハウが十分に蓄積していると言っていい。それなのに僕はやれていない。
もっともらしい言い訳はいくつもできるし、そのうちの何個かは周りも自分自身をも十分に納得させられるものだ。胸を張って「今は有観客ライブはやらないんです」と言える。言えるんだけれども、胸の端っこの方に寂しさと焦りがあるのも気づいている。

そんな複雑な思いを汲み取ってくれたのか、リクオさんは「サトルくんも頑張ってるね」と言ってくれた。
その一言でずいぶん救われた気持ちになった。

配信ライブのメリットとデメリット、面白さと難しさなど、経験したものにしか共感できない話をしばらくした後、ツアーができない日常について話した。
僕ですらホテルに泊まるのが年間約100泊。1年の殆どがツアーのリクオさんはその倍以上になるはず。そんな2人が何ヶ月も自宅に寝泊まりし、旅に出ないのだ。気持ちをどこにどう収めて毎日を過ごしてきたのか?

共通していたのは「地元にちゃんと向き合うようになった」ということだった。僕もリクオさんも地元のクリエーターやスタッフとチームのようなものができたのだ。
青森県青森市に住民票を移して9年、事務所やスタジオも含め完全に拠点を移してから7年をこの街で過ごしてきたが、こんなにも地元の人達と密に関わったのは初めてのことだった。

やってきたようできちんとできていなかった「足場を固める」という事。その重要性。それに気づけたのだから、長い目で見ればコロナも意味があったということなのかな。

「コロナで大変だよねー」とただただ傷を舐め合うのではなく、情報を共有し、励まし合う。そうやって僕らはこのピンチを乗り越えていくのだ。いいタイミングでリクオさんと話せて良かった。

考え続けること、動き続けること。
この世界で生き抜くなら、それをやめたら終わり。
目がくらむけど、みんなと一緒に楽しんでるうちにいつの間にか1年が過ぎ、また次の1年が過ぎて気がつけば10年が過ぎる。
今後もそんな音楽人生が送れますように。

2021年7月10日配信「サトルからのメール」に
掲載されたミニエッセイ

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以前書いたnoteです。
坂本サトルさんが歌うリクオさんの楽曲について書きました。

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