透かすとそれは蒼色だった


溶ける様な空と海の境界線を見たのはこれが初めてだった

地元で見ていた日本海は
いつもどこか悲しい気持ちになるくらい、
切ない色だった。
真っ青というよりは、少し灰色に近く
波はどこか荒々しいけれどかっこよくて好きだった


東京にきてから、初めてみた太平洋の海
静かすぎる波はとろとろとして、光に反射した海は緑に近い様な青色で
透き通っていてたからか、
空との境界線がはっきりとは見えなかった。

その景色を見た瞬間
移り変わっていく青色、蒼色、碧色がゆらゆらと生きていて
少しだけ泣けてしまった
自分が生きている世界はこんなにも綺麗なのかと


大きな大きな自然を前に
心がすっと透かされるようだった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?