ヨウジ試着旅②表参道
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表参道の駅を出ると、植え込みのツツジの蕾が目に付いた。以前、友人と来た時は盛りを過ぎて伸びすぎており、タイミングが悪かったのか手入れがされておらず、こんなに高級店が並んでいるのに、こういう所の手入れは甘いんだなとこれまた捻くれた感想を持ったことを思い出した。嫌だな苦手だなと思いつつ、忘れっぽい私が色々覚えているというのは、それだけ印象が強かったのだろう。
ふとそこで、先日読んだばかりのヨウジさんの本に『ツツジは嫌い』的な表現があったのを思い出して、いきなりパンチを喰らった気分になった。ツツジが咲くのは晩春〜初夏なのだが、ヨウジさんはその頃に「春が来る」と感じたのだろうか。ヨウジさんはツツジにどんな思い出があって、どのように見えているのだろうか。
人混みに流されながら、まず表参道のワイズへ向かった。店は地下にあった。入口に店員さんが立っていて、洋服が1〜2枚かかっていて、メインフロアは地下だった。地下!いきなり入っていいのだろうか。思わず入っても良いですかと聞いてしまった。勿論どうぞと仰っていただけた。虚子の『丸の内』で、「エレベーターに乗る時は下駄から草履に履き替えて下さい」と言われてまごまごする田舎の婆さんの姿と自分が被った。
こわごわ降りた地下の空間は、黒のパラダイスだった。やはり洋服が黒いので、その印象が強いけれど、決して冷たい雰囲気ではなく、心地良かった。え〜〜〜端からずっとじっくり見て試着してえ〜〜〜!と今なら思うけれど、その時はワッ…ワァッ…みたいな感じだった。すごい服の前では皆ちいかわになる。
ワンピースの試着をした。想像よりも厚手で、若干硬さのある手触りに野生的な強さを感じた。どこから手を出し頭を出せばよいのか迷った。真っ黒だと思っていたら藍色だった。深くてきれいな色だった。
単品でも素敵だったが、店頭にあったマーチンのコラボシューズと合わせたらもっと素敵になった(試着室から出る時に店員さんがさっとマーチンのサンダルを出して下さった。欲しくなっちゃう…)。
他にも店内を見て感じたのが、ネットで見た時には、厚手だと思ったものが薄手で、逆も然り。そしてどれも手触りがいい。今まで私が着てきた服とは、とにかくなんだか手触りが違う。
ファッションにこだわりがありそうで、こわいのではないかと思っていたけれど、店員さんたちはとても親切だった。若い人も勿論居たが、もう何年もずーっとヨウジさんのファンなんだろうな〜みたいなかっこいいおじさま達も居た。
気になっていたリングも試着させて貰った。ネット上では「ちょっとした違い」くらいにしか思っていなかったデザインが、自分の手に付けた時、大きな印象の違いを生むことが分かった。
帰りの階段を上がって地上に出た時、ワイズダンジョンにチャレンジした勇者の気持ちになった。レベルアップ!LINE登録をして貰えるステッカーを手に入れた!
この時点でかなりへとへとに疲れていたので、補給のためにスタバへ入る。自問自答といえばスタバ。だがこの込み具合よ。都会だ。なんとか座れて、しばらく放心状態で抹茶ラテをすする。
その後はMM6やヒルズの中のワイスリーを見て、青山へと向かうことにした。(疲れていて記憶が曖昧なので割愛)
途中あきやさんがおすすめされていたルイ・ヴィトンのミュージアムを観た。
入口は列が出来ていたが、ミュージアムに用事のある人は別に案内してもらえるらしい。エレベーターで店員さんから、壁紙の模様は和紙で出来ているのだと教えていただいた。途中ちらりと見えた店内は、思っていたよりポップでカラフルだった。ヴィトンなんて遠い世界だと思っていたけれど、入る度に気になってしまう(ちなみに4月末の試着旅で、とうとう私は銀座のヴィトンのカフェに入りました)。
そして青山へ。
段々と景色が変わり、人通りも少なくなってきた。途中、神社があったり、閑静な住宅街があったり。
その中でも数々のブランドの店構えが個性豊かで面白い。何も買わなくとも、店に入らなくても、佇まいをみているだけで十分楽しめるのではないかと思った。
透明なのに重厚感が凄まじいやたらと高い建物がプラダだったり、無造作に置かれた白いマネキンが積み重なって一見閉店後の空きビルかと思ったらギャルソンだったりした。
目的のヨウジヤマモト本店は、表参道以上に入る勇気が必要で、一度場所を確認してから、気力を養うために、近くで腹ごしらえをすることにした。はじめはクレープなどの甘味にしようかと思ったけれど、選んだのは梅のおにぎりと味噌汁。疲れた身体に梅の酸っぱさが染み渡った。
本店は次回へ🍙