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なぜ書くのか

「でもまあコツコツと書き溜めるのは財産よね」と懇意の豆本デザイナーはいう。

評価ではなく、一見解だ。

なぜ書くのか。

取材力と原稿力は書き続けることでその練度が保たれることはある。

ただ、私の場合は着眼点や記事の展開力を維持したい思いで、書き続ける。

ほぼすべての事象にはウラがある。

かつて事件事故を取材した。
多くの事案がカネにまつわる。

事件発生直後から、報道現場を指揮するデスクやキャップはまず「自作自演」を疑う。

嫌になるほど。

コンビニ強盗も白昼のド派手な宝飾品荒らしも、必ず〝手引き〟がいるといった具合に。

目の前の事象をどう切り、真実に迫り、限られた時間の中で、記事化するか。

ウラを読み取ろうとする記者魂がないと、文章は発表資料に頼り切り、ただの経過説明に陥る。

解説記事とはなり得ないし、切れ味鋭い辛口コラムには程遠い。

だから、書き続ける。硬軟織り交ぜて。

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