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生キャベツが浮かぶ「桂花ラーメン」
長く生きていると、ギョッと驚く食べ物や食べ方に出合うことがたまにある。
今も心に残るのが、東京渋谷の桂花ラーメンとの出合い。当時、21歳ぐらいだから、今から33年前のことになる。
駒沢大学に通った田舎者の私にとって、渋谷は新玉川線(現・田園都市線)で程近く、熊本発祥の桂花ラーメンは、まさに渋谷の味だった。
複合商業施設の渋谷プライム(今もあるようだ)の3階ぐらいに、桂花ラーメンのお店があった、と記憶している。エスカレーターがあって。
信頼置ける筋にすすめられるまま、
初訪店のとき、名物の「太肉(ターロー)麺」を食べた。当時、650円ぐらいだったか。
今は1,100円か。
豚の角煮(長崎人にはおなじみ)がラーメンに載っている喜びや、食べ応えある中太麺よりも、私には、生のキャベツがザクザクとスープ上に浮かぶ光景が衝撃だった。
紹介者もニコリ。
これがまた美味い!
濃いめの豚骨スープに軽く浸ったキャベツが本当に美味しかった。
私の中での味覚改革でもあった。
「これはありだな」
東京に出ると、同じ九州人というだけで、親しみが湧くものだが、ラーメンに対する理想の味が熊本とわが故郷の長崎とでは、まったく違うことを認識できた瞬間でもあった。
熊本人自慢のタイピーエンと、
わが長崎ちゃんぽんの違いのように。
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