出身地の湖西市長が今期で退任の意向③ 2024.6.28(211)

報道では影山氏の実績として「医療費の無料化」が挙げられていますが。私はこの政策には反対の立場です。子どもだけに限らず生活保護者を含め、無料だとモラルハザードといって、頻回受診や過剰医療の温床となってしまいます。子ども医療費の無料化は、選挙対策の面もあると思いますが、負担のあり方については、高齢者と同様、一貫した姿勢を示すことも重要だと思っています。ワンコインにするとか、一定の自己負担をお願いするべきでしょう。根拠のないバラマキ政策はやめるべきです。

 続いて、湖西病院の経営改善についても検証していきます。私は、2016年に、湖西病院の改革プラン委員会の委員を拝命し、プラン作成にかかわるとともに、市議会議員に向けた勉強会の講師をする等、専門的な立場から見守ってきた人間だと思います。実際に、湖西市では、病院管理者や経営戦略監の聖隷グループからの採用や、地域包括ケア病床の開設等、様々な施策が行われてきました。

 しかし、残念ながら、繰入金は減らず、コロナ禍では潤沢な補助金のバラマキがあったにもかかわらず、令和3年が10億円、令和4年が9億円と、全く収支の改善がみられず、常勤医師数は平成30年度の16人から令和4年の12人へと減少しており、改革は失敗したといえるでしょう。湖西病院については、厚生労働省が「再編の対象」として名指しするほど、存在意義の低下した病院です。実際に、住民の利用率も低下しています。正直湖西病院がなくても浜名病院や医療センターがあるから大丈夫という住民も多いでしょう。外来機能への特化や、民営化したうえで地域に密着した機能への転換を行う等、抜本的な改革が求められているのです。繰入金をゼロにできれば、令和4年ベースで、家族4人で年間6万円ものコストを削減する事ができるのです(平均値であることに注意が必要で、現役世代にとってのインパクトはもっと大きい)。これが、将来に亘って続くのですから、財源を他の用途に使えるようであれば、減税や未来への投資にお金を回すことができます。

 「コサイ・バッテリーパーク」の整備については、私は詳しい経緯を理解しているわけではないのですが、電気自動車の増加や生産拠点の国内回帰といった時代の流れの中で、事業税や雇用の確保の観点からもよい取り組みだと思います。影山市長は、トヨタの豊田章男会長ともよい関係を築いていたそうですし、影山市長の大きな実績の一つといえるのではないでしょうか。

 「公共交通の改善」については、何が改善したのか、調べた範囲ではよくわかりませんでした。工場送迎バスに一般人も乗れるという、路線バスを補う施策が行われていた事を示しているのでしょうか。バスや電車等、公共交通が不採算である事から代替手段を充実させるという目的であれば、ライドシェア解禁まで見据えた、規制緩和に取り組んでいくべきでしょう。

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