出身地の湖西市長が今期で退任の意向④ 2024.6.29(212)

続いて、私が考える「市政」で着手すべき施策について、①トップセールス、②減税、③行財政改革、④統治機構改革の4つの視点から、記載していきます。

 トップセールスは、影山氏が意識的に取り組んできた点だと思います。SNSの発信も積極的でした。他方、トップセールスの結果、何が湖西市にもたらされたのかについては、私は正直、よくわかりません。外から見ていて、わかりやすいところでいうと、ふるさと納税のPRがあると思いますが、ふるさと納税の実績は、前市長時代である2015年の約7億円をピークに、右肩下がりとなっており、令和4年は約2億円まで減少しているのです。

競争環境が激化している事もあると思いますが、全国の寄付総額は右肩上がりであり、影山氏が就任した2016年が2800億円に対して2022年が9700億円ですから、3倍以上になっている中で、湖西市のふるさと納税が減少しているというのはPRに失敗したといえるでしょう。
https://furusato-nouzei.tax/city-data/shizuokaken/kosaishi/

ふるさと納税は、非効率で利権を作り出す、問題のある制度だと思いますが、徴税権がない地方にとっては、少しでも他の自治体からパイを奪うという観点からは、予算獲得の上では有用でしょう。後述する減税・規制緩和のPRを含め、様々なトップセールスが、地域の人口や生産額の増加を生み出していく事で、地域の活力向上を支えていく(邪魔をしない)事が重要であると感じています。

次に、減税については、地方税の減税という事で、具体的には個人住民税や事業所税の減税が考えられます。現在、国民負担率(税金+社会保険料)が上昇しており、潜在的に50%を超えています。実質賃金の低下や可処分所得の減少の中で、地方自治体レベルで実施できる減税を行う事は、家計支援になるだけでなく、移住促進(人口増加)や少子化対策にもつながるでしょう。

現在競うように様々な子育て支援政策(バラマキ)が行われていますが、これが少子化対策にほとんど効果がない事は学術的に明らかになっています。1婚姻あたりの出生数は大きく減ってはおらず、少子化の本質的な課題は、非婚化であり、その背景には、若者の可処分所得の少なさがあるのです。減税を行って、可処分所得を増やす事が、少子化対策にもつながっていくのです。もちろん、核家族化・共働きが進む中で、子育て支援は重要ですが、少子化対策にはなっていないという事なのです。

 減税の割合については、2021年の都議会議員選挙における自民党の公約であった、個人住民税20%、事業所税50%を踏まえ、個人市民税20%、法人市民税50%にて試算します。

 湖西市の2024年度の歳入見込みは、市民税が46億円、その内訳は、個人市民税が35億円、法人市民税が11億円となっています。つまり、個人市民税の20%減税は約9億円、法人市民税の50%の減税は約6億円、計約15億円のインパクトがあるのです。
https://www.city.kosai.shizuoka.jp/material/files/group/4/R6gaiyou.pdf

個人市民税でいえば、家族4人で年間6万円もの可処分所得の向上が期待できるのです(平均値であることに注意が必要で、現役世代にとってのインパクトはもっと大きい)。

これが将来に亘って続くのですから、影響は大きいといえるでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?