出身地の湖西市長が今期で退任の意向⑨ 2024.7.4(217)

 静岡県の人口流出は深刻です。特に、若年層の進学や就職を転機とした県外への流出が課題となっています。移住者は増加していますが、それを大きく上回る数の流出があるという事です。政令市である静岡市や浜松市も同様の状況ですし、湖西市でも同様の状況になっています。

他方、私も東京に住みながら、湖西市に拠点を持っているように、二拠点居住にはよい場所だと思いますし、教育施設の誘致や新しいビジネス拠点の創設、空き家の受入れ等が整ってくると、移住もしやすくなっていくでしょう。

 観光については、前述の第2次観光基本計画には、実は、目標の交流客数が設定されていません。第1次観光基本計画では、2020年に100万人という目標を掲げていたのですが、そのような定量的な目標が消えており、KPIという言葉は使われているものの、満足度を現行の86%から90%にあげるという、成果目標とはかけ離れたいかにも役人ぽい目標が設定されているのです。具体的な交流客数の目標を設定し、湖西市の観光関係LPのページビューを数倍にするとか、野心的な目標を掲げてほしいものです。

もちろん、観光に限らずですが、自治体の役割というのは限定的にすべきで、あくまで、民間主導とすべきでしょう。官民連携という名のもとで、どれだけ多くの不採算の施設やサービスが運営されているか、補助金頼みの事業がいかに危険かという事です。そういう前提のもとで、市民交流複合施設の整備、芸術祭等のイベントやラグジュアリーホテルの誘致活動等も進めていくべきかと思います。浜名湖周辺は富裕層が泊まるようなホテルが会員制のエクシブくらいしかありません。ふふのようなスモールラグジュアリーホテルを地元の企業が開設してくれるとよいのですが(こちらは私の単なる願望ですが、出資等の協力は可能です)。初めは、体験価値を重視した、スモールなものでよいと思います。

少し話がそれますが、私が毎年訪問している香川県の三豊市の事を紹介させてください。三豊市は人口6万人弱と湖西市と同程度、東洋のウユニ塩湖として人気が出た父母が浜の観光客数は50万人と5年ほどで100倍になっています。この三豊市で私の友人である古田秘馬さんがUDON HOUSE等を運営しています。地域に古くからある古民家に泊まり、有名なうどん屋を巡って、地域のうどん職人に教わって自分でうどん作りもできて、1泊3万円の価格で予約がいっぱいになっているのです。浜名湖にUNAGI HOUSEを作ってはいかがでしょうか。以下URLの記事にもあるように、融資や補助金に頼らず、共助(地域事業者がお金を出し合う)仕組みも有効だと思います。
https://journal.ridilover.jp/issues/0679d4ce8cae
https://journal.ridilover.jp/issues/882

また、三豊市には、サブスク(月額定額)の乗り合いタクシーサービスであるmobiが導入されています。既存タクシーを使っているため、需要が多いタイミングで供給不足になるため、本来はライドシェアを解禁すべきだと思いますが、このようなサービスを湖西市でも導入する余地があります。

こういった取り組みを湖西市でも仕掛けていけたらと思います。

 災害対策も重要です。特に大地震の際の津波対策については、新居町を中心にハザードマップに掲載されている事もあり、今後も更なる対策が必要でしょう。

影山市政でなしえなかった人口増・可処分所得増・世代交代を実現するというのも成果目標となってくるでしょう。また、身を切る改革(給与の減給、退職金をもらわない)といった改革に対する覚悟を示していく事もありうるかもしれません。前知事は給与を返上するといって返上していなかった問題も起こりましたので、有言実行というのも重要です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?