大田区を盛り上げよう⑧ 羽田イノベーションシティ② 2024.5.16(168)

ここからは羽田イノベーションシティを訪問して感じた印象を書いてみたいと思います。

 もちろんこれからという事だと思いますが、残念ながら、ホテル、オフィス、医療機関、商業施設、いずれも中途半端な印象です。

 特に、商業施設については、空港にかなりの集積がある中で、わざわざ電車に乗っていくかと言われれば、降車せずに、都心に移動する人が多いでしょう。目玉となるような施設がないので、実際、私が行った際には、客がほとんどいませんでした。ホールでのライブの際には人が増えるとの事でした。

 羽田空港は、旅客数だけで年間約8000万人、従業員も含めれば、1日20万人以上の人が利用している事になりますから、そこからいかに人を引っ張れるかという事が重要になってきます。

 残念ながら、デザイン性の観点からも、印象に残るものではありませんでした。

 オフィスの賃料は、都心や空港へのアクセスの割には抑えられている印象でしたが、地方出張や海外出張の多い人には便利かもしれませんが、リモートワークが進む中で、敢えて、羽田空港という都心と比較すると住宅地からもアクセスの悪いところにオフィスを構えるニーズがどれくらいあるのだろうかという点は疑問に感じました。

 何かを集積させようとすると、それなりの規模感が必要になってきます。ホテルは前泊やトランジットをする空港利用客等に需要がありそうな印象ですが、他はなかなか厳しいのではないでしょうか。

 私がもしゼロから開発するという事ができる立場にいた場合は、IR(統合リゾート)を誘致すると思います。IRとは、Integrated Resortの略で、カジノの他、国際会議場や劇場、展示場、ホテル、ショッピングモール等の複合施設の集合体を指します。IRは、空港や都心から人を呼び寄せられるようなコンテンツであるといえます。

IRは、横浜市で反対派の市長が当選したように誤解も多いですが、私もシンガポールや米国(ラスベガス)、中国(マカオ)、カンボジア(プノンペン)等、いろいろな国のIRに行った事がありますが、1日中楽しめる場所だと思います。羽田イノベーションシティは、都市部から少し離れた立地ですので、パチンコ等、他の合法ギャンブルとの直接的な競合を抑えられるのではないでしょうか。

ただし、高さ制限もあるので、地下の利用を促進しないと、ちょっとIRとしての規模は小さめになってしまうかもしれません。羽田イノベーションシティの敷地面積は約13万平方メートルに対して、シンガポールのマリーナベイサンズは19万平方メートルです。

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