大田区を盛り上げよう⑨ 羽田イノベーションシティ③ 2024.5.17(169)

会議場であるコングレススクエア羽田のキャパシティは、最大620名の多機能ホール、少人数から260名まで収納可能な5つのカンファレンスルームを擁していますが、国際会議場として使うには手狭な印象です。

 スマートシティモデル事業については、そもそも、住宅がないのに、なぜこういう名前にしたのかなと不思議に思います。とってつけたような印象は否めません。

 医療施設については、誘致がなかなかうまくいかず、最終的に愛知県に所在する藤田医科大学が手を挙げて、先端医療研究センターがオープンしています。がんゲノム、再生医療、高度生殖医療、先端リハビリテーション医療を提供するとしていますが、延床面積が狭く、病床はゼロである等、中途半端な印象を受けます。

同センターでは、高級人間ドックや再生医療といった自由診療(保険外診療)を中心に、医療サービスが提供されるようですが、都心部の富裕層がわざわざそこに行くのかは疑問です。麻布台ヒルズの慶応の施設のほうが便利でブランド力もありそうです。

 本来、羽田空港の近くにある立地を生かす意味では、メディカルツーリズムという事で、海外の富裕層をターゲットにするのだと思いますが、そうなると、日帰り手術ができるとか、高級ホテルが近くにあるとか、より追加的な付加価値が提供できないと厳しいのではないでしょうか。

 羽田イノベーションシティは、大田区が、羽田空港跡地第一ゾーン整備事業として、羽田みらい開発株式会社と公民連携によりまちづくりを進め、開業したまちです。同社は、鹿島建設、大和ハウス工業、京浜急行電鉄、空港施設、東日本旅客鉄道、日本空港ビルデング、東京モノレール、野村不動産パートナーズ、富士フイルムが出資して設立されています。

まさに、「船頭多くして船山に上る」(指示する人が多いと船は見当はずれの方向に進んでしまう)という状況になっている印象を受けました。

 羽田イノベーションシティは複雑な動線になっており、1階の部分がなぜか通路や駐車場になっていて、何か意図があるのだろうと思いますが、もったいない印象でした。

 羽田空港が一望できる足湯は、とても開放的で気持ちがいい場所でした。私が行った時は飛行機を撮影する方が多くいらしていました。足湯をしながらビールを飲むとか、リモートワークをするとか、体験価値を上げる仕掛けがもう少しあってもよいかもしれません。

 羽田イノベーションシティには、これからも機会を見つけてお邪魔したいと思います。

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