さて、どんな個育てをしよう
金曜日に保育参観があって、子ども達の園での様子を半日見てきた。
息子の
〝好きな事〟と〝嫌いな事〟
〝やりたい事〟と〝やりたくない事〟
がとにかくはっきりしていて、それはそれは壮絶だった。笑
「さて折り紙をおります。先生がやるから、それをマネしてやってみよう!」「これを完成させよう」的なことは一切嫌。言われた通りに折るくらいなら、丸めてクシャクシャしてみたい。
音楽に合わせて歌うのは好き。縦にも横にも揺れる程好き。
でも、まっすぐみんなと並ぶのは嫌。ちょっと横にズレて、まっすぐ先生や絵歌詞カードが見える位置がいい。
みんなでリレーはやりたくない。特に今日は人がいっぱい見てるし。
せっかくお外に出たんだから、ダンゴムシやクワガタを探したい。
なんなら裸足の方がいい。靴が汚れるくらいなら、裸足で土を歩きたい。
帽子も暑けりゃかぶるけど、ちょっとの日差しならなくていい。汗でベトベトするくらいならない方が心地いい。
椅子取りゲーム、今は気分が乗らないから、端で座ってみていたい。なんで今日はこんなに人が居るんだ。こんなところで椅子取りゲームはやりたくないんだ。
これら全て、保育参観で披露した。笑
母親としては見るに耐えないし、周りの親御さんの目も気にならない訳がない。
でも、ぐっと堪えて、彼がどうするか、先生がどうするかを見守り続けた。
4−5歳になれば、折り紙だって、リレーだって、みんなでルールを守った遊びだってやる。
それは、きっとこれから小学校に上がってく上でも必要だし、ゆくゆく社会に出て必要なことだからなんだと思う。
でも、ここまで完璧に自己決定をしながら、我を貫く息子に母親としてついにもはや吹っ切れた気がする。訳もなくわがままを言っている訳でもない。
言葉もだいぶ理解して、きちんと意思表示をしながら訴えているのだから、大したもんだ。
何より、先生方が彼の事を理解して、寄り添って、無理強いしないでいてくれる。それには親として日頃から本当に感謝している。
〝普通〟ってなんだろうと、よく思っていた。
〝個性を大切に〟ってよく言うけど、じゃあこの個性貫きますねって突き進んでいくと〝ちょっと変わってる〟とか〝ちょっとわがままな奴〟とか受け止められたりする。
〝しつけ〟と〝のびのび子育て〟の折り合いってどこでつけるべきなんだろうとも思う。
子どもの〝個性〟に本気で向き合ったり、付き合ったりするには、親がぐっと堪えることが必要なことが多々ある。
周りと違うことを一瞬焦ることがある。
1−2歳の時には、何をやっても「まだ赤ちゃんだし」とか思えてた事も
4−5歳過ぎて来ると人間としての〝核〟が見えてくる気がする。
その時に、親である自分がどうそれを感じて、認められるか。そこには沢山の葛藤もある。
正直言って、私自身は凡人だと自覚してる。
だからこそ、この強烈な個性をもつ息子には戸惑いつつも、すごく魅力を感じる。
結局、子どもは親の私物じゃない。
授かった命であり、預かった命。
妊婦のときや産まれて間もないうちはまるで我が子は自分の一部であるかのように思える。
でも、やっぱり違う。子どもは自分じゃない。自分じゃないから、自分の想い通りに行かないと時に苦しくなる。
自分じゃないけど、自分以上に守りたいと願う。それって本当にすごい関係だとも思う。
さて、この子の個性を最大限に伸ばすには、いったい今何が必要なんだろう。
個を活かしていくには、個を育むためには...。
自然の中で生き生きするこの子は、この風をどう感じ、土の感触をどう感じ、何に心揺さぶられて生きているのか。
改めて、ここ数日、息子のことを観察し考え続けて見えてきたこと。
それは4−5歳のまだまだ感性豊かなこの時期に、この子自身が人生の土台になる素敵な土壌をめいいっぱい耕して欲しいということ。
確かに生きていくためには、いわゆる〝協調性〟も大事。
けど、今は人の迷惑にならない範囲で、いや時には迷惑をかけるかもしれないけれど、その時は私が頭を下げて、まさに今うずいている好奇心の芽が、どう育つのかを見守ってみよう。
なぜなら、好奇心を持ち続け、トライし続ける事は、大人になるに従ってしたくても出来なくなることが多いから。
大人になったら、我慢も協調性も嫌でも身に付いてしまうのだから。
それぞれのお子さんにそれぞれの個性があるように、それぞれの親の個性もある。
きっとその個性と個性が交わりながら、親子で成長し、子育てしていくんだろうなと思う。
私自身、専門職に就いて多くの人と関わり、ある程度医学的な知識や発達の知識も会得してきた。
個々の発達過程や進捗度合いには必ず個人差があることを学んできた。
でも、親になるってこうゆうこと。
我が子の事になると、時々自分のこと以上に見えなくなる。
さて、どんな個育てをしよう。どんな個が育っていくんだろう。
今日もまた、ぐっと堪えて見てみよう。
人生においてこんなにワクワクすることって、なかなかない。
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