実家を売った時に見つけた一冊から考える『花束みたいな恋をした』
二年ほど前、実家を売った。
売ったといっても持ち主は父なので、私が売ったワケではないのだが。
横浜市郊外にあったその実家は、一軒家で2000年頃に建てられたと記憶している。それまで借家暮らしだった我々家族にとって、その家はいわゆる「夢のマイホーム」で、家の隅々まで愛着があった。
その実家を売られることになったのは寂しくもあったが、これも時の流れ、と思いながら実家の片づけをしていた。
実家に置きっぱなしにしていた大量の本を処分していた時、その中に身に覚えのない本を見つけ