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キャンディ。


ずいぶんと時が経ったのに。
ふとしたとき、思い出すことがある。



毎日揺られていた電車で、
なつかしい駅を通ったとき。

よく似た猫背の人を街で見かけたとき。

あの頃の歌が流れたとき。

一人で歩く、キレイな夕暮れの帰り道。

あの頃の、ときめきと切なさが押し寄せる。



すごく、すごく、好きだった。

できれば、永遠に隣で笑ってみたかった。

でも、一緒に居ても遠くにいた。

近くに居たのに、全然分からなかった。



久しぶりに再会しても、

大人になったのに、
やっぱりうまくはしゃべれなかった。

素直にはなれなかった。

あの頃から、変わった私を見せたかったのに、

結局何も変わってないみたい。

全然、変わってないみたい。



人はひとりで生きていくことを、教えてくれた。

孤独も寂しさも、
結局自分で解決しなきゃいけないことも。

どんなに想っても、
叶わない思いがあること。

自分を大切に想うことが、
どんなに難しいかも。

大切なことをたくさん教えてもらった。

だから今まで歩いてこれたんだよ。



これからは、頼らずにちゃんと自分で歩くから。

大事な人を大切にしながら、進んでいくから。

だから、絶対に幸せになってね。


ただ、心からきみの幸せを願う


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