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無意義な夏の渡りかた

言葉が日々に奪われないように生きていかないと。
うかうかしてたら今話したいことをかんたんに忘れてしまう。

夏は夏過ぎると、全ての、思考を練りはじめるためのスイッチを溶かして消してしまうから、無駄にぼーっとしてしまう。
寝たまま仕事に行って、仕事のこと考えたまま眠る。休まらないし捗らない日々が続く。
夏は、海や風鈴の音や氷の溶ける温度や下駄の足跡は、全部今はNetflixに吸収されてしまった。

人と会えないのが続くと、探りながら潜っていくような会話の仕方を忘れて、久しぶりに自由に泳ごうと思ったらすんごく下手になっている。
あらゆるSNSを渡り歩いて文字に触れ続けても、足先でピチャピチャ遊んでるだけではそこまで身にはならないっぽい。

本能のままの本音を言うとすれば、ずっと馬鹿騒ぎしてたい。
どのお酒を飲んだらどうイメージがつくかとか気にせず、無限にハピクルサワーだけ飲んでたい。
仕組みがわからないまま雰囲気でUNO!って叫んでるうちに人生終わるなら、それはそれで最高だと思う。
けれど今の私は、わかりやすいエンタメを欲する以上の色々を求め過ぎる、かわきやすい心に育ってしまった。
私の心を満たせるかどうかは、私のさじ加減にかかっている。

梅田もスーパーも全部うるさくて、街角の古びた喫茶店に逃げた。
アイスコーヒーに浮くデカい氷の音を合図に何をしようか。
やや伸びたショートヘアを無理やりにくくって、気合を入れた。

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