テラス席から見えるあの川へ体を沈めたい

金曜日の夜のワインは、考えなくていいことを考えさせるし考えなければいけないことを忘れさせてしまう。

4杯目のグラスに残った赤い汁をぐっと飲み干して、会計は後に残る人に任せるという意思表示のように3枚のお札を机に広げる。コートを着て、方向が合っているかちゃんと確認しないまま走る。飲んでる間こっそりと調べた乗り換え案内の通りに電車に乗る。

ボトルを注ぐ余裕と懐のある自分に優越感を覚えること、それに存在意義を見出していることが嫌だ。
どこまでも自己嫌悪は進む。
酔っている時に人に連絡するという良くない癖は治らない。
恋とか愛とかの熱い思いを持てなくなってしまった。

どうしようもない人生をみんな生きている。惰性で。
生きていることが少ししんどくなるから、それを感じないように、休日はできるだけ長く眠る。
ワインのおかげで深く眠れそうだ。


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