この1年、コロナ前後(おうち)
この1年、2020年の2月から2021年2月までの1年はあっという間の、なのにこれまでとは全然違う1年だった。まだまだ緊急事態宣言下だから「コロナ前後」というよりは「コロナ"発生"前後」というのが正しいか。
ただ2回目の緊急事態宣言は1回目の緊急事態宣言のときとは随分様子が違う。夜早くにお店が閉まること以外、一見街は完全に平常運転だ。
1回目の緊急事態宣言のときは保育園や学校も閉園になり、スーパーでは買えないものも多く出た。マスク、消毒液、トイレットペーパーから始まり、ホットケーキミックス、小麦粉類、ベーキングパウダー、ドライイーストまで。普段から粉類やBP、イーストを多用しているのでこれには困ったが、「休園休校で退屈しているこどものために世の中のママ(パパ?)は何ができるか一生懸命考えているんだろうな」と見えない同志の存在を心強く思ったりした。実際、お菓子作りやパン作りは休園中でどこにも行けないストレスが溜まっているこどもとの良いコミュニケーションになったように思う。
休園中は、もうどうしようもなくてそれまでなるべく見せないようにしていたテレビ(YoutubeやAmazon Primeなどの配信)に頼らざるをえなくなった。幸いお昼寝の時間があるので勤務すべき6時間全てテレビ、というわけではなかったけれど、それでも大事な幼少期に同世代の子と関わらず、ほぼ受け身の時間を3時間以上取っていたことについて、少し時間のたった今心配になることがある。
一方で、そのように罪悪感を抱えながらの日々ではあったけれど、1歳から保育園に通っていたいま4歳の娘のそばに、それだけ長くいられる時間を持てたことは幸せでもあった。幸い夫も在宅勤務になっていたから、恐らく休園前後の2カ月は娘が生まれてから一番長く家族3人一緒の時間を過ごした期間だと思う。
1回目の緊急事態宣言の直前、4月に引っ越しをしたこともあり、新しい生活に家族3人で入ることができた。夫は家族のことをとても大事にする人だが、新型コロナ前は国内外問わず出張が多かった。引っ越し後、子育て基盤や生活リズムを基本私が一人で作らなければいけないと不安だったから、夫が一緒にいてくれることが本当に心強かった。
新しい家の近くには広い芝生のある公園があり、気候の良い時期だったのでお昼にサンドイッチを持ってプチピクニックをしたり。道すがら、アカツメクサやシロツメクサを摘んで帰ってジャム瓶に挿したり。外はぽかぽかあたたかくて、娘がママ、ママと嬉しそうに走っていて、それは穏やかで幸せで、少し非現実的な感じのする不思議な時間だった。外は大変なのに、仕事をしているのに、こんなことをしている!という。
2回目の緊急事態宣言中の今は、保育園も開いていて在宅勤務であること以外、日常生活は通常通りなので、今振り返ると夢だったのではないかという気がするくらいだ(勿論、それが維持されるよう頑張ってくれているひとたちのおかげで。本当にすごいことだと思う)。
一方で、自粛生活が始まってからもう1年。それまで大きな楽しみだった旅行にも勿論行けず、娘も「コロナが終わったら旅行に行こうね」とほぼ毎日のように言っている。
いつ事態が本当に落ち着くのか、本当に以前のように自由に旅行に行ける日が戻ってくるのか、今は想像もできないが、あと少しと信じて自粛に耐える日々である。
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