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名前を書いた傘

何十年も前のこと、中学へ進学して新しい傘を買って貰った。小学生が使う傘とはちがう折りたたみ傘をねだってかってもらった赤いタータンチェックの可愛い傘だったけと自分には大人ぽっくり感じてうれしかった。
父が名前を書いてくれた西中学校
1ーC○○○○お気に入り傘だった
のに無くなってしまった私が紛失したわけでなく誰かがまちがって傘を持ち帰ったらしい
スーパーの傘立てに残るのは似ている傘だけど違う傘、雨はやんでないのでその傘持って行きなさいとお店のひとに言われて私の所へきたピンク色のタータンチエック傘、しばらくその傘とつきあった名前の書いてないだれの物がわからない傘と…一年が経ち2年生になったある日忘れものが学校に届いた。学校名と名前がかいてあったので学校へ届いたのだった
私の父が名前をかいたあの赤のタータンチェックの傘に再会できた
それでわたしは2本の傘の所有者になったのである。
これから先は私の想像である。
きっとピンクのチェック傘の本当の持ち主はわたしの赤のチェック傘を間違えた人ではないはず傘を手にもてば自分の傘ではないとわかるのが当然だ!借り物傘だったに違いない、借り物だからそれらしいものを持ち帰ったのだ、そして後で中学生の傘と間違えたのにきずいたのだ。が中学校へ届ける気はさらさらなかった、赤のチェック傘はそこでしばらくはお世話になったようだ
きっと私の傘と間違えたその人がまた町内の商店街で魚屋さんか肉屋さんか本屋さんかに傘を忘れたんだろうそうに違いない借り物の傘だから無頓着だ、ましてや一度間違えた傘だ忘れてもどうってことない。
ただ、この傘には所有者名があった名前と学校名があったおかげで持ち主にたどり着いたとさ
名前書いておくとめでたしめでたしだね
それから私の傘は流行りのジャンプ傘と代わっていった今や名前の書いてある傘などあるだろうか
疑問だ。

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