きみが

きみが、雲ひとつない青空ねって言ったので
ぼくは、きみの後頭部の方を指さして
きみに、雲はある、あそこだと言うと
ぼくの、顔をみていっそう笑うと
きみは、自分の目の前で手を双眼鏡にしてまた同じところを見ながら
ぼくに、私の目の中には雲ひとつないわと笑うので
きみを、屁理屈だと怒れば
ぼくを、人間見たいものしか見てないという真実よ
と諭し
きみは、また空を気持ちよさそうに見上げた。

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