2020/4/21

 先日書いた、病気が見つかった近しい人というのは、私の踊りの師匠である。今日、少し世間話をしたが、まだオペや入院の日程が決まっていないという。それもこれも全てコロナのせいである。今までとさしたる変化のない生活を送る者としては、いまだ対岸の火事のような、映画を見ているような、現実味のない透明な現象でしかなかった。しかし、もう手遅れなほどに、私のそばに、そしてあなたのそばに近寄ってきている。

 私が以前務めていた会社は医療系の専門商社であった。GW中、メーカーの社員は大体が長期休みに入ってしまうし、工場は止まってしまう。そのためこの時期は死にそうなくらい忙しかった。通常の倍どころではない消耗品やらカテーテルやらの手配をかけなければならない。今となっては懐かしい気もするが、この状況はそれを遥かに凌駕する事態だろう。工場はおそらく休みには入れないだろうし、担当社員は工場まで物品の引き取りにいくことになるだろう。当時、気が狂いそうになりながら仕事を捌きまくっていたが、こんな日が、まさか本当にきてしまうとは。転職してから、考えるよすがもなかったことを思い出したため、ここに書いて供養する。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?