美少女天才魔道士

以前OBMと罰ゲームありのトレハン勝負をした。
結果は俺の勝ち。

OBMはアフロマンになった。
二人共ゲラゲラ笑っていたが、このとき俺は気付いていなかった。
OBMが復讐を心に誓っていたことを。

アフロ事件からひと月程経ったあるとき。

OBM「勝負しろ。負けたらスキルに詠唱マクロ入れろ」
タカ「勝敗の決め方は？」
OBM「うーん」

そこノープランかよ。
こいつ罰ゲームやらせて笑うことしか考えていない。

検討した結果、今もっとも熱い対戦方法で雌雄を決することにした。

対局よろしくお願いします。

二人とも初級者レベルなので、飛車先の歩から攻めることしかできない。

棒銀が決まり敵陣へ攻めることに成功した。

しかし守りが薄くなった右翼から攻め込まれる。
白熱した攻防が繰り広げられる。

守りが薄い右翼におびき寄せられ、玉が孤立した。
持ち時間も少なくなりかなりまずい状態。

あと1手で詰まされる状態。
馬で王手しつつ銀を取り玉を上に逃がすことを選択した。

王手に気が付かず、詰みの一手を指して負けるOBM。

タカ「さぁ詠唱マクロ考えようかーーー！！！」

やっぱり詠唱といえばこれ。

タカ「これどうよ」

ルピーアイの力を魔族、スィーフィードの力を神に属する黄金竜が導き、神と魔の力を人間が束ねてダーク・スターの五つの武器《ゴルン・ノヴァ》、《ラグド・メゼギス》、《ネザード》、《ボーディガー》、《ガルヴェイラ》にのせ、下記の呪文を唱える】
闇の王が生み出せし　星を紡ぐ五つの光よ　その力もて　黄昏よりもなお昏きもの　暁よりもなお眩きもの　導かれし力を束ね　我にただ天空を貫く一条の矢を与えん

タカ「"ルピーアイの力を魔族"冒頭から熱い」
OBM「分かる」

詠唱マクロ作ってみたけど長すぎたのでボツ。
ルピーアイの力が強すぎたか。

試行錯誤を重ね、4つの呪文が完成した。

タカ「今まで作ったマクロの中で一番長い」

タカ「あとこれを最初に使え」

OBM「詠唱じゃないが」
タカ「これがないと始まらねぇんだよ」

こうして美少女天才魔導士　リナ・インバースが誕生した。

詠唱マクロを作っただけで終わる訳もなく、野良ＰＴでダンジョンに潜った。

当たったのはタイタン。
タカ「タイタンすぐ終わるし、ダンジョンでやろう」
美少女天才魔導士　リナ・インバースは誕生せず普通に倒した。
あとでこの判断を後悔することになる。

次はダンジョンに当たった。
全員が動き出したところで、口上が始まる。

全員の動きが止まる。

が、無反応で動きを再開する。
悪名高いリナ・インバースに動じないとは肝が据わっている。

敵を発見。

呪文を唱えるリナ・インバース。

一回の戦闘で10回くらいスキルを使うので、ＰＴチャットがガンガン流れていく。

戦闘が終わるも、野良の二人は無言。
二人との温度差がやばい。

何回か戦闘をしたところで、ようやく反応が！！！

俺もそう思う。

もう一人は冷静に鍵を探していた。

このPT、リナ・インバース、外国人、久しぶりの人、タカであったので、

久しぶりの人とコミュニケーションをとり被害者の雰囲気を出す。
てか何回口上するんだよ。

リナ・インバースが詠唱する中、いい人雰囲気を出して必死で無関係を装う。

一方外国人は

いい趣味をしていた。

リナ・インバースのせいだと思う。

最初は面白かったけど、ダンジョンは20分くらいあるので、段々とこの空気に疲れてくる。

最後のボスにドラグ・スレイブを決めて罰ゲーム終了。

笑えたけど、それ以上に疲れた罰ゲームだった。
勝った俺まで罰ゲームになってて、誰も得しない時間だった。
これで復讐の連鎖も止まるだろう。

後日

不意にドラグ・スレイブを撃ちだしたOBM。

周りはスルーしていた。