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日々ムサビ(通信) 【複合的表現Ⅰ】

今年の8月の終わりには6日間の「複合的表現Ⅰ」のスクーリングを受講しました。課題の概要としては、木箱を支持体として、持参した思い出の写真や物などを加えて自己の「内的空間の表出」をテーマに立体作品を作るというものです。

1日目は音楽を聴きながらドローイングを行いました。それによって、音楽という刺激を受け、その受けた刺激を外に出す回路を作る、ということだそうです。アンリ・マティスやワシリー・カンディンスキーも、絵を描くにあたって音楽がとても関係していたとか。与えられた大きな板に、音楽からイメージしたことやそうでないことも、思ったようにとにかくどんどん手を動かして描くように努めました。

そうして最終的にできた立体作品がこれです。

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私は思い出の品として、自分が小さい頃に物語を描いていた自由帳を持って行きました。ドローイングを繰り返すうちに、現在の自分が小さな子供の頃の自分の自由帳の物語を再現して見たらどうなのだろうかと考えるようになり、1ページ1ページ模写をしました。それが板に貼ってある小さな広告紙に描かれた絵です。手前にあるのは紙粘土で作った手です。両外側は現在の自分の手で、真ん中二つは小さな頃の自分の手として作りました。イメージとしては、現在の自分が、昔の小さな自分を膝に乗せて一緒に絵を描いている、という感じです。現在の自分は、小さな頃の自分と同じように絵を描くことが好きなつもりでいるけれど、全く同じということは絶対にあり得ないし、思い出そう、再現しようとしても現在の自分が邪魔をして完全にはできない。広告の絵たちと手の間のもじゃもじゃしたものは、再現を邪魔している膜のようなものとして配置しました。本当はもっともじゃもじゃにするべきでしたが、ちょっと難しかったです…。カンナで削った木の皮を用いたのですが、これを網のようにつなげるのが大変でした。スクーリング、採点85点で優でした。

また、私としてはスクーリングの前提講義の中で先生からアウトサイダー・アート(アールブリュット)を習ったのが印象に残りました。アウトサイダー・アートとは、障害を持った方が生み出すアートであったり、児童画のことです。また、独学、または趣味として素朴に制作された美術のことも指します。例として、澤田真一、ダーガー、ジャクソン・ポロック、村山悟郎などが挙げられました。

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澤田真一の陶芸オブジェ。奇怪だがユーモラスな造形。

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ダーガー。アウトサイダーアートの巨匠と言われる。

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ジャクソン・ポロック。抽象表現主義の代表的画家であり、その画法はアクションペインティングと呼ばれる。

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村山悟郎。1983年生まれの現在活躍している画家の方。自己組織化するプロセスやパターンを、絵画やドローイングをとおして表現している。


スクーリングで、自分のことを表現するのを学ぶこともとても楽しいですが、実は前提講義で色々聞くのもとても楽しみだったりします。素敵な作品をたくさん知ることができるのはワクワクしますね!

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