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「リスク」は取り方のバランス感覚が成功のカギとなる

前回に引き続いて、今回もタルムードで紹介されているお話についてよ。

「タルムード」がユダヤ人の知恵をぎゅっと集めた大切な書物であることや、この教えによって育ってきたユダヤ人が、どの民族よりも成功者が圧倒的に多いということはもうよく知っているよね。

⇒「タルムード」ってなに?


そんなユダヤ人の知恵を学んで、君たちもかしこく・豊かで・幸せな人生を送りましょう。


大切なのは、物語を通して、君自身が一緒に考えることよ。

タルムードはただの読み聞かせの物語ではなく、自分の意見を考えて相手と話し合う、「議論」こそがそのポイントなの。

考えることは、確実に君の生きる力になる。

前回の「魔法のザクロ」にひきつづいて

今回は、「難破船(なんぱせん)の三人の乗客」というお話よ。

さぁ、しっかり君の頭をフル回転させ、想像し、考えましょう。


「難破船の三人の乗客」のあらすじ


船が嵐にあって遭難し、無人島に流れ着きました。

流れ着いた島は、フルーツがたくさん実る島でした。

船はその島で修理を済ませてから出航することになったので、乗客は修理が終わるまで思い思いに過ごします。


一人の乗客は、
いつ修理が終わって船が出てしまうかわからないので、
取り残されたら大変だと、船から降りませんでした

嵐にあってから、何日も何も食べずお腹が空いていたのですが、
船が出てしまう心配のほうが大きかったので、我慢することにしました。

もう一人の乗客は、船から島に降りました。
置いていかれないように、船が見えるところのフルーツを食べ
船の修理が終わる様子を見て、急いで船に戻りました。

お腹いっぱいは食べられなかったけれど、
なんとか空腹を満たし、フルーツで水分補給もできました。

もう一人の乗客は、
そんなに簡単には船の修理は終わらないと思い、
島の中まで入ってフルーツをたらふく食べました。

船が見えないところまではいっていきましたが、
まだ大丈夫だろうと次から次へとフルーツを食べました。

お腹がいっぱいになって戻って来たら、
船は出航した後で、島に取り残されてしまいました。


君が乗客ならどうしていたかな?


三人の乗客の運命は?


このお話の結末がどうなったかというとね、

まったく船を降りなかった乗客は、船に乗り遅れることはなかったけれど、その後の航海にの途中で空腹で死んでしまうの。


島に残された乗客も、無人島から脱出できず、そこで一生が終わったわ。

船が見えるところでフルーツを食べた乗客だけが、

船にも乗り遅れることなく、途中で空腹で死ぬことなく、無事に家に帰えることができたの。


このお話は「リスク」について大切なことを教えてくれているわ。


リスクは、取らないこと自体がリスクだということ。


最初の乗客は「船に置いて行かれては困る」という不安から、その場を離れることができなかった。

つまり、船を降りたすぐそこにフルーツがあるのに、取りに行く行動を起こさなかった。

結局、そのことでどんどんお腹が空いていくの。


つまり、「何もしないことは事態を悪化させる」ともいえるわ。

リスクをとらないリスクもきちんと勘定に入れなくてはいけないのよね。


かといって、リスクを取りすぎるのも危険よ。

最後の乗客のように、島の奥に進んでお腹いっぱいになったけれど、そのせいで船に乗り遅れたわ。

リスクはかけであってはいけないということね


ちゃんと算段をもって、「ここまでなら大丈夫」というところまでリスクをとる。

それは、船の見える範囲でスルーツを食べた乗客のように、最大の危機に備えながら適度なリスクをとることよ。


慎重になりすぎるのも、大胆になりすぎるのもダメ


「適度なリスク」これって本当に難しいわ。

慎重になりすぎるのもダメだし、大胆になりすぎるのもダメ。


その時に必要なのが、船の様子を確認しながらフルーツを食べていた乗客のように、素早くリスクとリターン(得られるもの:ここではフルーツ)を計算して正しい行動をとることなの


「リスクを適正にとることこそが、人生に勝利をもたらす」

このバランス感覚を身につけたいところね。


そのためにはまず、その状態で

・最大のリスクが何か?

・得られるリターンはどうか?

この2つを素早く、正しく理解することがポイントよ。



例えば、君が自転車の練習をしていた時のことを思い出して。

何も練習をしなければ、けがをすることはないけれど、自転車に乗れることは絶対にないわね。


だけど、自転車に乗れるようになるには、ケガをする危険を冒しながら練習する必要がある。


でもね、ケガをするリスクを最小限にして練習をすることはできるはずよ。


いきなり補助輪なしの自転車で、長い下り坂を下ろうとするのは、大けがをするようなリスクを負うけど


・補助輪をつけて練習する

・ヘルメットとサポーターをする

・芝生などの少し柔らかくて危なくない場所で練習する


こんな風に、自分でリスクを最適化して、自転車の練習に挑戦することができるよね?


なんでもそう、考えうるリスクを最小化して「この程度のかすり傷なら大丈夫だ」と思えるリスクの範囲で行動を起こす。


君なら、失っても納得できる金額の範囲内でクレーンゲームにチャレンジするであったり


ママなら、生活に影響の出ない金額を、分散して投資するとか


「出したお金が全部無くなる」というリスクを負っているけれど、もしなくなっても暮らしていくには困らず納得できる金額に抑える

それでいて、成功した場合に手に入るものは大きい


リスクは「取るか取らないか」の選択ではなくて

リスクをとることを前提に「どうリスクを取るか」がとても大事ということね。


これは、前回の「魔法のザクロ」の話にも通じるところがあるわね。


タルムードのお話どうかしら、楽しくて勉強になるでしょ?


次は「金の冠をかぶった雀(スズメ)」の話をしようね

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