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理系大学院生、就活に苦しむ

私は好奇心旺盛な性格である。
それも狭く深い専門家タイプではなく、広く浅い"非専門家"タイプである。

地方で生まれ育ち、公立の小中高大を卒業。
そして今、同じ公立の大学院にいる。

周りはいわゆる秀才。
大学院を卒業したら一般企業に勤める。
正規ルートである。自分もそうだと思ってた。

しかし就職活動をしていく中で、私は秀才ではないと思い始めた。企業の適性検査を通して自分の回答から傾向をとらえてみる。

気づいた。
私は「扱いづらいタイプ」だ。

今までの短い人生を振り返ってみると、役割を全うするよりも、どこか人と違うことをしたい気持ちが常にあった。

でもできなかった。
周りの期待を裏切って、道を外れるのが怖かった。

この人はこの分野が強い。
そんな分かりやすい役割をもつ専門家が、世の中では重宝される。
人間は社会的動物だから。
大学院までの道は、社会が作った専門家養成コースだった。

でも私は広く浅い好奇心を持った"非専門家"の卵であり、この先も"非専門家"として孵化したい。
だって、人と違うことをしたいから。
役割があるって代わりがきくってことじゃん。
"非専門家"は、まだ独立した名前がないくらいに価値がある。

私の将来の夢は旅人である。
目的地を決めず気の向くままに歩く旅人になりたい。
旅人は"非専門家"で、社会的な役割が与えられていない。

分かりにくい。
良い。
旅人は、役割がないのが良いんじゃないか。

でも人間は社会的動物である。
世の中は役割がある人を重宝する。
世の中はまだ旅人を必要としていない。
どうやって人間社会を生きていくんだ。

今日もまた、こうして就活に思い悩む。


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