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低用量ピルは恐い?そんなことはありません、これさえ知れば→低用量ピルをはじめる上での注意点

どんな薬にも副作用はつきものです。

ただ不必要に恐れる必要はありません。

安全に薬を飲むために正しい知識を持ちましょう。

血栓症の副作用が起きやすい時期

飲み始めから3~4ヶ月くらいに血栓症がおこりやすいと言われています。

おこりやすいと言っても、頻繁におきる副作用ではありません。

1万人いたら3〜9人起こる可能性があると言われています。

そして死亡にまでつながる人は10万人に1人と言われています。

ちなみに低用量ピルを飲んでいない人が血栓症になる可能性は1万人いたら1〜5人なると言われています。

血栓症は皆さん同じ確率でなるのではなく、血栓症になりやすい人がいます。

ピルを飲んで血栓症になりやすい人は

40歳以上

喫煙者

肥満の方

高血圧の方

脂質異常症の方

日常生活で同じ体勢でずっといる方

前兆のある偏頭痛持ちの方

などです。

低用量ピルを飲まなくても、もともと血栓症のリスクがある方は特に注意という感じですね。

そして前兆のある偏頭痛持ちの方は脳血管障害が起きやすいと言われているので低用量ピルを飲むことができません。

低用量ピルを避けるべき人

先ほど前兆のある偏頭痛持ちの方は飲めないと書いたように、残念ながら全ての女性が飲める薬ではありません。

デメリットの可能性が高くなってしまう方は飲むことが禁止されています。

これから飲んではいけない人について低用量ピルの添付文書を抜粋して記載します。

たくさんありますが、飲んで良いかの判断は、婦人科の先生が処方する前に検査やチェックシートで確認してくれるので覚える必要はないです。

言葉が難しいところもあるので参考程度に見てください。

飲んではいけない方

1.ピルの成分に対し過敏性素因のある患者

全ての薬に言えることですが薬に対してアレルギーがある場合は飲めません。

これは事前にわからないので飲んでみてアレルギー症状があった場合は即中止となります。

2.エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば乳癌,子宮内膜癌),子宮頸癌及びその疑いのある患者

腫瘍の悪化や今まで出ていなかった症状が出てくることがあります。

これはピルを飲むと乳癌や子宮癌のリスクが上がるというわけではありません。

リスクの高さはピルを飲んでいる人といない人で変わりないです。

既に癌になっている場合は飲むとリスクになる可能性があるということです。

ただ子宮頸癌についてはリスクが上がるという結果もあるようです。

子宮頸癌は性交渉によるウイルス感染が原因と言われているので、ピルを飲むことによりコンドームの使用が減ったためではないかと考えられます。

3.診断の確定していない異常性器出血のある患者

性器癌の疑いがある・出血が性器癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがあります。

これも2と同じです。

4.血栓性静脈炎,肺塞栓症,脳血管障害,冠動脈疾患又はその既往歴のある患者

血液凝固能が亢進され,これらの症状が増悪することがあります。

すでに血栓がある人は当然飲めないということです。

5.35歳以上で1日15本以上の喫煙者

心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があるため飲めません。

年齢が上がると血栓症のリスクが高くなり、それに加えタバコも血栓症のリスクになります。

6.前兆(閃輝暗点,星型閃光等)を伴う片頭痛の患者

前兆を伴う片頭痛の患者は前兆を伴わない患者に比べ脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告があります。

7.肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の患者,亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の患者

血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。

8.血管病変を伴う糖尿病患者(糖尿病性腎症,糖尿病性網膜症等)

血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。

9.血栓性素因のある患者

血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。

もともと血栓症になりやすい方は飲めないということです。

10.抗リン脂質抗体症候群の患者

血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。

11.手術前4週以内,術後2週以内,産後4週以内及び長期間安静状態の患者

血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがあります。

12.重篤な肝障害のある患者

代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがあります。

薬は肝臓で代謝され、腎臓で排泄します。薬によって肝臓、腎臓の活躍の割合は異なりますが、多くの薬は肝臓、腎臓が悪すぎると飲めません。

13.肝腫瘍のある患者

症状が増悪することがあります。

これも肝腫瘍になる危険性があるのではなく、もともと腫瘍を持っている人が問題だということです。

14.脂質代謝異常のある患者

血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。

また、脂質代謝に影響を及ぼす可能性があるため、症状が悪くなることがあります。

悪玉コレステロールの値が高い人は、血管が詰まりそうなイメージありますよね。

15.高血圧のある患者(軽度の高血圧の患者を除く)

血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。

また、症状が増悪することがあります。

16.耳硬化症の患者

症状が増悪することがあります。

17.妊娠中に黄疸,持続性そう痒症又は妊娠ヘルペスの既往歴のある患者

症状が再発するおそれがあります。

18.妊婦又は妊娠している可能性のある患者

これは当然ですよね。低用量ピルを飲むと妊娠しにくくなりますが、100%の避妊はできません。なので2周期連続で月経がない場合は妊娠していないか確認する必要があります。

最大120日飲むタイプの場合、妊娠の疑いがある場合にはすぐに主治医に相談してください。

19.授乳婦

母乳に低用量ピルが移行し、それにより母乳の量と質が低下する可能性があります。

20.骨成長が終了していない可能性がある患者

骨端の早期閉鎖を来すおそれがあります。

成長期の子は飲めないですね。

21.オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル配合剤を投与中の患者

現在は販売中止になっているので飛ばしてください。ちなみにこれは抗ウイルス薬でC型肝炎の治療薬でした。

薬の相互作用

一緒に飲むと効果が弱まったり強まったりしてしまうため注意が必要な薬があります。

これは覚える必要はありません。飲んでいる薬があれば医師、薬剤師に伝えてください。

ここでお薬手帳の出番です。

ただ今回は2点だけピックアップします。

理由は市販で買えるものだからです。

1.アセトアミノフェン

処方せんの薬だとカロナールという名前です。

小児でも飲める成分です。

市販薬だとタイレノールAが有名です。

解熱鎮痛剤で熱や痛みをとってくれます。

これをピルと一緒に飲むとピルの血中濃度が上がり、反対にアセトアミノフェンの血中濃度が下がる可能性があります。

血中濃度が上がる→効き過ぎる、副作用の可能性が高まる

血中濃度が下がる→効かなくなる

市販薬の痛み止めが欲しい時はアセトアミノフェン以外の痛み止めを選んだほうが無難です。

2.セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)

これはサプリメントや健康食品に入っている可能性があります。

イライラを抑えたい時などとうたっているものに入っている可能性があるので、成分表を確認してから買ってください。

セイヨウオトギリソウとピルを同時に服用するとピルの効果が薄まって、不正出血が起きやすくなります。

血栓症の初期症状

血栓症の初期症状までまとめようと思ったのですが、いっぺんに色々読んでも記憶に残らないと思ったので次回にまわすことにしました。

なので次回は血栓症の初期症状についてのみまとめます。

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