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君たちはどう生きるか

告知無しの公開からずっと見たかった作品。
宮崎駿がやるとこうなるんだなと。庵野秀明がやるとエヴァになるんだなーと。 庵野秀明と比べて宮崎駿は精神的に大人だなあと思った。

個人的に人間の善意と悪意がテーマの時期が自分にもあったから、大切なメッセージを受け取った気持ち。博識な大叔父様がたどり着いたみたいに浮世離れした人になって(出家した僧侶のように)ただ石を詰んで生きる事がいちばん害の無い生き方なのかもしれない。でも本作を通して宮崎駿は悪意を遠ざけるのではなく、また、悪意で返すのでもなく、悪意溢れるなかでも善意ある仲間を見つけて生きるのが大切なのだと教えてくれた。世捨て人にならずとも、生きる道はあるよと。

後日YouTubeで見た米津玄師と菅田将暉の対談で、真人とアオサギは宮崎駿と鈴木敏夫だと二人が考察していて、その上でラストのセリフがとても良いと言い合っていてもう一度そこだけ見たいと思った。

あと、ひとつの思想に傾倒するべからず、というメッセージも込められているように感じられた!これは反戦のメッセージでもあるかな。

最終的に人間賛歌に行き着くのが芸術作品の存在意義だと思うから、個人的にはとても癒しのある素敵な作品だと感じた。宮崎駿の「君たちはどう生きるか」も、庵野秀明の「シン・エヴァンゲリオン」も、自伝のような作品だと思うけれども、どちらも最後にちゃんと癒しがあって好きです。