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文体の舵を取れ|練習問題④-1〈重ねて重ねて重ねまくる〉語句の反復使用
問1:語句の反復使用
一段落(三〇〇文字)の語りを執筆し、そのうちで名詞や動詞または形容詞を、少なくとも三回繰り返すこと。
<練習>
ヒヤマミドリは逃げ出したい。来たはずの道を、ミドリは懸命に思い返す。目隠しのまま降ろされると、海風が頬にふれ、すぐさま、音のない地階へと移された。解かれた瞳が闇に慣れ、一瞬、背の高い白髪の男が映り……そこで記憶は突き当り、出口は決して見つからない。とにかく、出なければ。吸い込む空気は重く、壁一枚隔て、みしり、と氷の裂けるような音がする。閉ざされた部屋に、光は届かない。時々聴こえるみしりの音が、亀の声だと気がついたのは、二つの嵐をやり過ごした後だった。四頭一組、五〇年交代制、亀のたまごの工場は三班で回す。みしり。立ち込める気に、足がすくむ。ほとんど永久機関だというここは、欲にまみれた地獄のにおい。逃げ出したい。逃げ出したい。四つの季節をまたぐまで、扉が開くことはない。
ヒヤマミドリは逃げ出したい。#文舵練習問題 #練習問題その4 pic.twitter.com/7l0sBnL8x6
— 中川マルカ (@C_Nakagawa) September 1, 2021
繰り返しの愉快。
亀のたまごをつくるヤバ工場をおもうと気が滅入りますね。
次は、構成上の反復。できるかな。
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