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大学最後の日に

今、大学から歩いて数十秒の喫茶店にいる。

明日は10年に一度の大寒波とかで、今日もすでにかなり冷え込んでいる。そのせいか店内にお客さんはまばらで、ひそひとした話し声が時折聞こえるだけだ。BGMのピアノジャズが心地いい。

店内は暖房が効いていてあたたかくて、窓から覗くどんよりとした曇り空もこの暖かい部屋ではむしろ背徳感のようなスパイスになっている。

さっき、大学生活最後の授業が終わった。
コロナで2年生の1年間は一度も登校しなかったし、3.4年も登校するのは週2程度だったので、感慨深さのようなものはない。
最後の授業はゼミで、私は卒業論文の発表をした。ゼミが始まる7時間前にスライドをアップしたので、少し眠い。最後くらい遅刻したくなかったけど案の定寝坊して15分遅刻した。

このあとはゼミの飲み会があるので、ゼミが終わって飲み会までの3時間半をひとりで大学周辺で過ごすことにした。

あんまりお金がないのでドトールでいいかなと思ったけど、ドトールは最寄駅にもあるし、せっかくならと今まで気になりつつもあまり目立たないところにあるので足を伸ばせていなかったこの喫茶店に来てみた。

川上未映子の「乳と卵」を読み終えた。

この2年間私はよく大学周辺の喫茶店に1人で訪れていた。わたしは1人で喫茶店やカフェに入って本を読んだり、色々なことに思考を巡らせたりするのが大好きだ。生きていていちばん穏やかな幸福を感じる瞬間。

今日も例に漏れず本を読んで、あれこれ考えを巡らせていた。

今日は自分の好きなひとたちのことを考えていた。恋人はひとりだけだけど、性別に関係なく好きな人はたくさんいる。

中学生くらいからだろうか。私には好きな人がたくさんいた。みんな恋愛的な好意に限りなく近いけど、付き合うとか、そういうのとはまた違う。

私は異性としか付き合ったことがないけど、同性に対して友達としてではない「好き」を抱いたことがあるし、今もその気持ちをどこかに持っている。

自分は多分異性愛者だと思うのだけど、それはたまたま今まで付き合ったのが異性だっただけで、今後もずっとそうとは限らないんじゃないか、みたいな考えをここ2、3年ずっと持っている。

一昨日、下北沢に行った時に、とある人にとても会いたくなった。自分でもよくわからないけど、突然に会いたくなった。

その人とは複数人では飲みに行ったことがあったけど、2人で会ったことはない。私が小心者じゃなくて、世の中で常識とされているものを飛び越えられる人だったら、きっと連絡していたと思う。

なんとなく、今日このまま帰ることをいつか後悔するだろうなと思った。

自分が21歳になる日が来るなんて想像もできなかったし、来月で22歳になるのも信じられない。人生はあっという間なのだとすごく痛感させられる。

会いたい人には会っておけ、って分かってるんだけど、連絡するって難しい。

最近、あんまり相手の気持ちを想像しすぎたり、気を遣ったり遠慮するのって、その時はよかれと思っても、行動しなかったことはいつか後悔するんじゃないかと思ってしまう。

気持ちがぐるぐるぐるぐるして、まだ思春期なのかってくらい足元がぐらぐらしている。

とにかく、そんなことをこの1時間くらい考えていた。

もやもやすっきりはしないけど、こんな気持ちもどこか心地いい。

お化粧直して、髪の毛が湿気でぱやぱやしてるからハーフアップにしようかな。

飲み会久々に参加するから楽しみだな。

今日はいい日だった〜。

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