京都の芸術文化に見る石の利用について
刀鍛冶や仏師に比べて、石工の仕事、石造物の需要、石の利用は明治維新以前も以後もあまり変わらなかったもののひとつかもしれないとふと思った。重さゆえの扱いにくさはあるものの、石は木と同様に私たちの生活に身近な素材であり、現代においても日本各地に採石場があり、輸入も含めて石材を加工販売する石材店があるほか、石彫と呼ばれる分野で活躍する作家も多くいる。
京都というと、木造の寺社に銅造または木造の仏像などが思い浮かぶが、蛇塚古墳や化野念仏寺、龍安寺の石庭など、石造の文化も古来から受け