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20230909 蒼紅杯 TOP4 レポート

こんにちは。malsemanです。
先日開催された蒼紅杯でTOP4に入りました。
幸い結構いい結果を残したので、少し伝えたい話を書きました。

蒼紅杯とは?
蒼紅ちかさんがアリーナで開催する、凄く楽しくて商品も大きい大会です。
配信チャンネルリンク

使用デッキはゴルガリ・ミッドレンジでした。(melee.ggリンク

今回のデッキ。『エルドレインの森』カードは面白い!

今回はちょっと話す順番を変えて、「新しいカード紹介」を先にしてから、
どうやってこのデッキができたか説明しようと思います。


使用した新しいカード紹介

Mosswood Dreadknight, Sentinel of Lost Lore

《Mosswood Dreadknight/苔森の戦慄騎士》はスポイラーの時からみんな「これは強い!」と話していたカードでした。実際使ってみたら思った以上に強かったです。特に「次のあなたのターンの終了時まで」の制約の緩さが凄ったです。死んだ時すぐに使わなきゃいけなかったらあまり強くなかったと思いますが、次のターンにも唱えるからとりあえず2ターン目に出ても一部追放除去を打たれなければアドバンテージを取る機会を失いません。

それに比べて、《Sentinel of Lost Lore/失われし伝承の歩哨》は使う人が少なかったです。多分「ミラー以外には弱い」とか、「墓地対策はサイドカードでしょう」と思われたかもしれません。
しかしこのカードは2ターン目に出来事を使ったら、3ターン目に出すとすぐにアドバンテージを取る事が可能です。そして出来事の強さはみんな知ってるから、当然新しい出来事カードが多く使われるし、必ず相手の出来事を妨害するいいカードになれる確信がありました。今回のデッキはこのカードの凄さを見せる為のデッキだと表現しても過言ではありません。1対3ができる「緑の絶望招来」だと思います。
最後に、このカードには隠れた(?)機能もあります。現在マジックには特別な「出来事ゾーン」が無く、システム的に追放領域を使う為、選択肢1番目の「追放領域にある出来事を持つあなたがオーナーであるカード」には、「追放された出来事を持つ」全てのカードが含まれます。それによって《Lay Down Arms/軍備放棄》や《Farewell/告別》に追放された出来事持ちカードを回収する事が可能です。(この動きをする為に自分の墓地にある出来事持ちカードをわざと追放する場合も多いです)

Blossoming Tortoise, Restless Cottage, Gruff Triplets

《Blossoming Tortoise/開花の亀》を最初に見た時の感想は「珍しいけど、ミシックはちょっと。。。」でした。土地の能力コストを減り、サイズが強くなる能力があるけど、スタンダードでは昔の《Solemn Simulacrum/真面目な身代わり》や《Quandrix Cultivator/クアンドリクスの栽培者》と大きな差はないと思いました。ですが亀の能力は出た時だけではなく攻撃するときも発動するので、使ってみたら相手が無視出来ない凄いカードでした。
除去を打たれたミシュランを復活させるのが一番良く、コスト軽減によって、ミシュランで殴りながら他の行動を取りやすかった点も良かったです。(5ターン目に2マナ除去を打ちながら攻撃可能)

《Restless Cottage/眠らずの小屋》のような新しいミシュランは説明不要の強力さがあるので、説明スキップします。みんな強さを分かるはずです。

《Gruff Triplets/荒々しい三つ子》は、亀からつながる6マナの攻めるカードとして良さそうな新しいカードだったので試しに入れました。
3/3トランプル3体でも悪くないが、1体が除去を打たれた時に他の2体が強くなる為、相手が凄く悩む状況が多かったです。《Glissa Sunslayer/グリッサ・サンスレイヤー》みたいな先制攻撃クリーチャーと戦う時、先に1体が死んで他が強くなってお得になる場合もあります。

Virtue of Persistence, The End

《Virtue of Persistence/執念の徳目》は序盤に手札から腐らなく除去で、ロングゲームに強いいいカードでした。昔の《Debtors' Knell/債務者の弔鐘》がこんな形で復活するとは。出来事がソーサリー除去なのが少し残念だが、2点回復があって十分に強いです。さらに今回のデッキは《Sentinel of Lost Lore/失われし伝承の歩哨》を積極的に使う為、除去を回収してもう一回使うのに凄くピッタリでした。

《The End/一巻の終わり》はすごーく強くなった《Eradicate/撲滅》で、普通ならメインに入れて相手のデッキ情報を見たくて使いたいカードですが、
今回の大会はデッキリスト公開制だから、メインには入れずにサイドボードにして勝利手段が少ない相手に入れる役割になりました。

Beanstalk Wurm, Stormkeld Vanguard

《Beanstalk Wurm/豆の木のワーム》は、《Sentinel of Lost Lore/失われし伝承の歩哨》を上手く使うために確認した出来事持ちカードでした。この出来事能力は「ドローがない《Explore/探検》は弱い」ではなく「5/4がドローされる《Explore/探検》」です。上手く動けば相手より多いマナで幅広い動きが可能になります。相手とリソース交換が続けたら後で出る5/4も意外と活躍します。(普通到達で守るよりは攻撃に使います)

《Stormkeld Vanguard/ストームケルドの先兵》も同じく出来事持ちカードだから採用しました。こっちは出来事がソーサリーなのが辛くて、「6/7がドローされる《Naturalize/帰化》」ではありません。正直《Tear Asunder/羅利骨灰》のほうが良いと思いますが、新しいカードを多くするためにわざと採用しました。

友達のプロトタイプデッキ

実は今回のデッキは私のオリジナルではありません。TCS_Logicparkという韓国のマジックが上手い人が作ったデッキを私が改造して持ってきました。
彼は競技マジックを辞めてアリーナだけ楽しんでいますが、昔にはプロツアー9位まで行った強豪プレイヤーです。
スポイラーを見た時からお互い《Sentinel of Lost Lore/失われし伝承の歩哨》を上手く使うデッキを研究してました。彼はメタゲームチャレンジでパックを稼ぎたくて、私は蒼紅杯でかっこいいデッキを見せたくてデッキを調整しました。しかし私が考えたデッキは調整中上手く行かなく、メタゲームチャレンジは開催されなかったから、私は彼のデッキベースでやり直して調整することになりました。

BG Midrange by TCS_Logicpark

このままでも十分強いデッキです。特に《Wrenn and Realmbreaker/レンと次元壊し》に関して彼は「レンが弱いと思う奴は、上手く使う方法を分からないだけ」とよく言っていました。2マナ除去の構成や5マナシェオル多めの理由はレンを上手く使うための構成で、亀との相性も凄く良いです。
しかし、彼が作るデッキは普通「プラン通りに動く」事が大事な構成だから、途中判断を間違えたら微妙に負けやすいです。私はプレイングスキルが足りなく、自分のではないデッキのすべてを理解してる訳がないので、自分なりの好みで調整しました。

色追加調整失敗例

今回は失敗例もひとつ紹介したいと思います。私が調整したデッキです。

色が追加されたからもっと強い!はずだったが…

「レンは使い方が難しいから、それに比べて簡単で強力な《Wedding Announcement/婚礼の発表》を使おう」と思いながら変更。色を増やしたから《Virtue of Loyalty/忠義の徳目》も追加。2ターン目の動きも強くなった!
「亀は墓地を増やすから、フラッシュバックがあるカードを追加すると更に強くなれるかも?《Rite of Oblivion/忘却の儀式》があるじゃん!婚礼と相性もいいし完璧!」白追加だからやはり《The Wandering Emperor/放浪皇》も追加!完成~強くなったはず!

(少し試す)・・・え、何で負ける?色事故・タップインが多いね。仕方ないけど思ったより多すぎ。そして《Rite of Oblivion/忘却の儀式》の餌はやっぱり足りないよね。こうなったらごれはどうだ!《Prophetic Prism/予言のプリズム》を入れて色事故率減少!餌追加!理論上パッチリだね~
(もう少し試す)・・・婚礼2枚ゲーム勝ち、婚礼0枚ゲームまけ。全然新しいデッキではないじゃん。狙った通りの動きも少なく、これだと運よく勝っても面白くない気がするな。これだと「二つのデッキを合体した改善」じゃなくただの中途半端デッキだ。時間も足りないし諦めて友達デッキベースにしよう。になって緑黒に戻りました。

自分に合わせて調整

ちょっと前置きが長くなりましたが、調整の考えを語ります。

土地26->27で、《Field of Ruin/廃墟の地》を《Riveteer Overlook/土建組一家の監督所》に
デッキの動き試しで一番気に入らなかった部分を変更しました。3ターン目に緑緑が出ない場合があり、4ターンに素直に出した亀がスペルを3枚ミルして土地が伸ばさない場合が2回以上発生したからです。
既存デッキを作った友達は数学や確率を知らない人ではないです。だた彼は「未来のメタゲームはミシュラン合戦になるからFieldは必要」と話しながら、ダブルシンボルの期待値の最低限まで縛って作りました。ですが私は色事故が凄く嫌で、もっと心地よい形で修正しました。1点回復も大事です。

レンの枚数軽減、《Tranquil Frillback/温厚な襞背》と5シェオルを抜いて4シェオル再採用
レンは強い時があることは分かるし、亀やミシュランとの相性良さは見せたい部分だったので全部は抜かなくて被り率を減らす事にしました。それに従って5シェオルやFrillbackはレンが多いから価値が上がるカードなので抜きました。特に5シェオルは私が《Sentinel of Lost Lore/失われし伝承の歩哨》を使う時に何も考えずに相手の墓地を追放してたから、ロングゲームになったのに相手の墓地が8枚未満で想像以上に裏返る事が出来ませんでした。
彼が4シェオルを全部抜いた理由は、前々環境?のグリクシス・ミラーの時と似た理由でした。(調整初期は入ってた)「お互い除去が多いから、倒されたらアドバンテージが発生しない4シェオルより、亀や5シェオルが良い」という内容です。でもやっぱり4シェオルは普通に強いし、勝てるマッチも多いから素直に入れました。

《Beanstalk Wurm/豆の木のワーム》などの新しい出来事カード追加
このカード達は実は「試して、悪くなかったが、あまり強くない」カードでした。手札で被った時は弱いし余り土地がないと最悪、3ターン目Sentinelで回収しても特別なアドバンテージが発生しなかったです。残念ながら調整中0枚が一番強いという結論になりました。個人的には同じ役割をするなら《Azusa's Many Journeys/梓の幾多の旅》の方がライフ・マナ面で優れていると思いました。それでも、私が蒼紅杯で大事にする目標「新しいカードの動きを見せながら勝ちたい」が大事だったから少し入れました。
《Stormkeld Vanguard/ストームケルドの先兵》よりは正直《Tear Asunder/羅利骨灰》が良いが、友達が「環境にアーティファクトやエンチャントを多めに使うデッキが出たら必要かも」と言ったカードです。Sentinelで再活用したら羅利骨灰より強くなる場合もあります。

《Titan of Industry/産業のタイタン》を《Gruff Triplets/荒々しい三つ子》に、ギックスの命令はメインに
カードパワー・状況対応力は当然産業のタイタンのほうが強いです。ですが、今回のデッキは亀が出た次のターンは6マナで、7マナには序盤に出来事で使った《Virtue of Persistence/執念の徳目》を出したい場合があります。そこから綺麗に動いた時に相応しい《Gruff Triplets/荒々しい三つ子》を採用しました。最後の調整でワームのマナ加速を復活させたから、「2ワーム・4亀・6三つ子」という動きが可能です。(10年以上前に流行った2ランパン4身代わり6タイタンのような動きです)能動的なぶん回り勝ちカードを増やした感覚です。
《Gix's Command/ギックスの命令》は、5シェオルを抜いて少なくなった除去枠で、「プランを壊さず勝利に近づく除去呪文」のイメージでメインにしました。相手の強いクリーチャーを倒しながら2枚回収します。そして今回のクリーチャー構成は全部パワー3以上だから、2以下を使うデッキを一方的に裁く事が出来ます。ロングゲームでアドバンテージ差で勝ちたい明確な理由が存在したので、メインが正しいと思いました。

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今回の調整の考え方は、最近みた同人誌で学んだ内容が多いです。

この同人誌にある「Build the Deck, See the Theory 比類なきデッキ構築論 / よしごえ」は凄く良い内容が多く、感動して5回以上読みました。完全に理解はできませんでしたが、凄く良い内容なので気になる方は是非見てください。最近は良い時代になったから、コミケに行かなくてもダウンロード版で読めます!

サイドボードに《Obstinate Baloth/強情なベイロス》採用
これは個人の好みで「《Liliana of the Veil/ヴェールのリリアナ》が存在する環境なら、デッキ公開・非公開に関わらず入れ得」だと思います。
相手を結構悩まされることが出来て、ないがしろにした相手に裏目を作ることが可能です。赤単相手でも良く、《Graveyard Trespasser/墓地の侵入者》相手も良いです。

簡単マッチ記録

R1. 赤単 レンと1点ゲインランドが活躍して勝ち
R2. コントロール 強迫を多数引き、土地で記憶の氾濫を追放して勝ち
R3. 赤黒 三つ子と黒徳目が活躍して勝ち
R4. 白緑感染 サイドボードの全体-3/-3で勝ち
R5. コントロール リリアナで除去を捨てるミスでフィーチャー負け(涙)
R6. 青黒赤 三つ子をとられて危なかったがギックスの命令が刺されて勝ち
R7. 白青 追放されたカードを歩哨で回収しながら、土地殴りで勝ち
6-1でTOP8
QF. 青黒フェアリー 1点ゲインランドと除去多数引きでギリギリ勝ち
SF. 白赤緑トークン ファイアーボール負け、アドバンテージ差負け

全体的に運も良く、期待通りの動きも多かったです。

改善案

私は今週のジャパンオープンには参加出来ませんが、(去年は出てましたが、今年は日本居住ではないため)もし似たようなデッキを使いたい方がいたら、この部分は改善を推奨します。

《Glistening Deluge/ぎらつく氾濫》は《Path of Peril/危難の道》に
青白兵士とGobakhanを意識したカードだったが、こっちも緑だったから相性が悪かったです。護法持ち3/3フェアリーも意識して危難の道の方が良いと思います。

最新《Invasion of Alara/アラーラへの侵攻》デッキに対策必要
先週より想定外のデッキが増えましたから、追加対策が必要です。あのデッキは基本相性も悪いから色々準備しましょう。


以上です。
新環境のスタンダードはいつも面白いので楽しいです。

今回も日本語を校正してくれた もりゆきさん に感謝します。

長い話を最後まで読んでくださってありがとうございました。

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