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前回は、ネットショップのお話をいたしましたが、今日は展示会についてお話をしてみます。展示会は、買い付けのために参加するものもありますが、今日は、自分たちが出展する、という立場になって、展示会の出展についてお話しします。

知ってもらう場所はどこにあるか。

当初は、自分たちの愛犬のために欲しいものを海外から個人輸入していたため、その「ついで」のように輸入したペット用品をネットショップで販売することが、きっかけでした。

当時、日本には、デザイン性、機能性で気に入った首輪、おもちゃなどが少なかったのですが、アメリカをはじめとした海外には、ポップで楽しいデザインのペット用品がたくさんありました。それは、デザインがおしゃれ、というだけでなく、その国々の動物と人間との関係性が現れているんですね。

いわゆる「ペット」として愛玩するだけでなく、犬を独立した存在として、家族の一員のように一緒に暮らしていく「パートナー」という考え方が、海外では当然でした。今では、日本でも「ペットは家族」という考え方が一般化しつつありますが、当時はまだまだ「愛玩動物」という感覚が主流だったように思います。

私たちにできることは大きくはないけれど、できれば日本でもペットとオーナーさんの「成熟した関係性」が育っていけばいいのになぁ、と思ったものでした。

以来、マリブドッグでは、そんな「ペットを大切に、尊敬する」文化が感じられるような商品を中心に、独自に輸入しながら、ネットショップでご紹介することになりました。商品だけでなく、ドッグカフェ、ドッグラン、あるいは軽井沢や伊豆半島などの犬連れ旅行などのレポート記事もサイトで紹介していきました。

冒頭の写真は、マリブドッグが東京ビッグサイトで開催された「ジャパンペットフェア」に出展させていただいた頃の写真です。ネットショップでスタートしたマリブドッグはその後「商品を卸売してもらえないか」という事業者様の声が多く寄せられたため、カナダのシャンプーメーカーと総輸入代理店契約を結び、死海のペットスパ、Hampi Natural Pet Spaを販売することになりました。

この死海のペットスパは、私たちも思いがけないほど大きな反響があり、たくさんのトリミングサロン様、オーナーの皆さまにご愛用いただくことになりました。もともと愛犬のために始めたことが、多くの犬好きの方、プロの方とも交流をもつことができるようになり、私たちの人生そのものも大きく変わることになりました。

展示会は、おもったほど敷居が高くない。

意外だったのは、ほとんど未経験でも、展示会には簡単に出展ができる、ということでした。そもそも、申込みをしても、特定の付き合いのある会社だけ、実績のある会社だけのものだと思っていたのですが、未経験でありながら初出展することは、それほど珍しわけではありません。

展示会では、会場のどの場所に自分たちのブース(小間)が決められるのかが大変重要なのですが、私たちが参入した頃は、早い者勝ち、なんていう展示会もありました。今では大人気となっているインターペットですら、くじ引き、早い者勝ちなどの曖昧な基準で小間の位置が決まっている感じで、私たちも今思うと、ありがたいことに、いい場所に出展させていただいたことも、何度もありました。

出展そのものは難しくないのですが、一番戸惑ったのは、ブースの装飾です。

専門の業者さんに依頼すれば簡単なのですが、それには相応の費用がかかります。凝った装飾をしなくても、棚板や照明などをどんどんレンタルしていると、あっという間に10万円、20万円と費用がかかります。

小さな事業者が初出展する場合には、たいてい手作りで工夫しながらのブース装飾となります。冒頭の写真のブースは、そんな感じで自分たちで持っているものやクロスや装飾の一部は購入したりして、作り上げていきました。

自分たちでゼロからイメージを考えて、ブースをつくることは、じつは結構楽しいものでもあります。そもそも、実店舗を持つ余裕がない時期ですから、展示会のブースを組み立てる作業を通じ、なにかお店を構えているような気分になり、展示会に出展することで、勇気がわいてきたことを、今でもよく覚えています。

展示会に出展すると、ビジネスの覚悟ができる。

ちょっと大げさなのですが、展示会では、将来のお取引先様と出会うことができます。こちらはこの業界でまだ経験が浅くても、相手のお取引先様は、プロ中のプロです。商談をすることで、自分たちのビジネスが試されることになります。

たとえば、自信をもって仕入れた商品について、質問がきます。また、愛犬についても、色々な話がでます。この時に、「なんか儲かりそうだから」というような気持ちでビジネスを始めていると、すぐに見抜かれます。また、ご自分でもきっと「あ、このビジネスは自分には無理かもしれない」と気づくのではないでしょうか。

展示会は、今までのキャリアがどうであろうと、真剣勝負の試合です。お取引先様、お客様と話をさせていただく中で、発見することがとてもたくさんあります。

自分たちがメリットだと思っていた商品特徴が、お客様にはそれほどでもなく、実は、他のポイントで気に入っていただいていた、とか、次の仕入れの参考になるような悩みや課題を教えていただくとか。

展示会に来ていただく方は、忙しい業務の合間をぬってブースにたどり着いていただきます。私たちは、ブースにお立ち寄りいただけた、というありがたさを、いつもいつも感じています。

これからも、多くの展示会、イベントで、お取引先様、お客様との出会いを、今まで以上に大切にしたいと、改めて思っています。

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