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「海外から見た、日本の良い点・おかしな点」 第3回 日本の治安は本当に良いのか?

日本は世界屈指の治安が良い国として知られています。確かに海外旅行に一度でも行ったことがある方なら、その時に日本の治安の良さを改めて実感されたに違いありません。しかし、それはあくまでも感覚的なものに過ぎず、「海外と比べてどの程度犯罪件数が少ないのか?」という客観的事実を説明できる人は多くありません。

またその一方で、「最近は日本の治安も悪くなってきた」という声も耳にします。テレビなどのコメンテーターすら、そういった論調の話をします。しかしこれも本当にそうなのでしょうか?もし治安が悪くなったとするなら、いつの時代と比較して治安が悪くなったのでしょうか?この点に関しても、筋道立てて説明できる人は多くありません。

こういった点を、統計を基に分析する事は有用です。なぜなら統計は雄弁であり、私たちはそこから多くの考察を得る事ができるからです。一方で「人の主観」も同じく大切です。特に治安の様な問題に関しては、男性や女性、大人や子供、それぞれの立場で「安全だ」と感じる度合いが異なり、それらは必ずしも統計に反映される訳ではないからです。

この点で私は社会学者ではありませんが、複数の国にまたがる会社を経営しており、取引先は世界中にいます。この中には「比較的安全」と言われている先進国もあれば、「非常に危険」と考えられている発展途上国もあります。私は彼らの生の声を、リアルタイムで聞く事ができます。

加えて私自身はマレーシアのクランという街で会社を経営していますが、この街は国内で最も治安が悪い事で知られています。小さな暴力事件や強盗は日常茶飯事ですし、港湾都市故にマフィアやギャングが絡んだ組織犯罪、例えば麻薬の密輸なども多く起きます。その結果、こういった事件に巻き込まれた人たちの土左衛門が毎日の様に港に上がります。マレーシアの治安自体は東南アジアの中でも悪くない方なのですが、クランを見ても分かる様に、「国」という単位で治安を語るのは不可能で、「街」という単位で観察する必要があります。こういった状況を目の当たりにしているという点で、私は治安の問題について語るのに有利な立場にいます。

それで今日は、「日本の治安は本当に良いのか?」というテーマでコラムを書きます。まずは英語でリサーチできる世界の統計を基に、現在の日本の治安に関する世界における立ち位置を確認していきたいと思います。加えて日本の統計を基に、日本の治安が過去に比べて良くなっているのか、それとも悪くなっているのかを考察していきたいと思います。加えて私自身の海外での会社経営の経験を踏まえながら、日本の治安のどんな点が特筆すべき点なのか、逆にどんな点に不安要素があるのかを考察していきたいと思います。長文ですが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。

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マガジンは毎週1回、月4回更新します。コンテナ業界の裏話を含んだ自伝的小説「Container from Malaysia(コンテナ フロム マレーシア)」と、日本の構造的問題を海外の経営者の視点で統計と共に読み解くコラム「海外から見た、日本の良い点・おかしな点」を隔週で更新。貿易に関心がある方、海運やコンテナ関連の株をお持ちの方、またマレーシア在住者を含む海外移住者やそれを目標にしている方、更には日本の行政や教育システムに疑問をお持ちの方に有用な情報をお届けします。

香港・マレーシアでコンテナリース会社を経営中。マレーシア在住。コンテナや海運業界の裏話や、海外から見た日本の素晴らしい点やおかしな点を統計…

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