壊れたらリペアしたらいいじゃない。

ここはとある一室、二人の男女が炬燵を囲んで音楽話に花を咲かせている。
傍にはハチワレの猫が腹這いになり二人の男女をチラリ。
女が言った。
「またSNSで見たんだけど、ネック？が折れちゃったギターの写真載せてる人がいて、うわぁーってなったの。」
「あそこまで壊れるともう捨てるしか無いよね？」
男が返す。
【そんなことたぁないよ。】
「えっ？どうするの？」
【修理するんだよ。】
「修理って、直るの？」
【うん、大体直る。】
「えぇ！凄いね！自分で直せるの？」
【スキルがある人なら自分でも直せるけど、世の中にはリペアショップっていうものがあって、そこで壊れた楽器は修理してもらえるよ。】
「へぇ〜、リペアショップね！」
「折れたとこって木でしょ？新しいのと交換するの？」
【いや、ボンドでくっつける。】
「ボンド？くっつくの？あの子供の頃使った木工用ボンド？」
【いや笑、アレでもいいのかな？わかんないけど、タイトボンドっていうのがあって、そのタイトボンドを使ってると思う。】
「ふぅーん、そういうのがあるんだね！」
「剥がれちゃったりしないの？なんか、もろくなりそう。」
【オレもネック折ったことあって、リペアの人にくっつけてもらったけど、問題なかったよ。】
【むしろ、くっつけたところの方が頑丈になるって言われてる。】
「そうなんだ！タイトボンドって凄いんだね！」
【一回折れてくっつけて、また折るとすると、くっつけたとこじゃ無いところが折れるらしいよ。】
「らしい？」
【流石に2回目はやった事ないから噂しかしらん笑。】
「なるほどねー！因みにリペアショップっていうのはどこにあるの？」
【んー、楽器屋さんによってはリペアしてくれるとこもあったり、個人でリペアショップを経営してる人もいるよ。】
【今はネットで調べたらいくらでも情報は入ってくるさ。】
「そうだね、ネット便利ね。」
【ただ、いい加減な仕事をするとこもあるから、よく選んだ方がいいよ。】
「ちゃんと直ってなかったり？」
【そうだね、リペアショップって大抵の修理とかフレットやナットを打ち替えたりもしてもらえるんだけど、頼んで戻ってきたらえらい弾きにくくなってたりとかあるっぽいね。】
「どうやって見極めるの？」
【んー、ネットで調べると客が結果報告してたり、リペアショップの中の人も宣伝を兼ねてSNSとかブログとかに、依頼されました、こうやって直していきますとか、経過を載せたりだとかしてるから、そういうのをみて信頼できそうなとこを選べばいいかな。】
「ネットの情報は凄いんだねー！」
【それと、値段がめちゃくちゃ安かったりなのはあんまりオススメできないかな。】
「値段なりなのかな？」
【わかんないけど、そういう噂を聞くよ。】
【楽器って、まぁまぁ高いモノじゃない。】
【なんで高いのかは色々理由があるけど、理由の一つに出来上がるのに時間がかかる。】
【時間がかかると作ってる人の時給分、その楽器にお値段が上乗せされるのかな？まぁ、値段は上がってくと思う。】
「ふむふむ。」
【リペアも同じで、修理って壊れた箇所を作ってるわけで、制作と同じように時間がかかる。】
【時間がかかると値段は上がる。】
【結果、リペアってそれなりの値段は取られるものなのだよ。】
「なるほど〜。」
【で、このリペアの相場よりえらい安い工賃で作業しますよーってとこがあったら、やっぱりちょっと怪しいでしょ？】
「うん、ちゃんと直るか心配だね。」
【でも、安いからって理由だけで頼んじゃう情弱がいる。】
「楽器はお金がかかるんだね。」
【周りに楽器やってる人がいたら、その人にいいリペアショップを教えてもらうのが確実かな。】
【そういう人がいないなら、評価をよく調べて、値段との兼ね合いで頼んでみるのがいいかもね。】
「人脈も大切だね。」
【リペアショップは信用商売だし、楽器やってる人は大抵リペアショップは利用するから、いいリペアショップは口コミで評判が広がるよ。】
【バンド組んでると、メンバーとあそこのリペアショップがどうこうとか話題になったりするからね。】
「なるほどね、ご飯屋さんなんかも話題になるし、それと一緒だね。」
【そうそう、一緒。】
【まぁ、消耗部分はしょうがないけど、なるべく壊さないように使うのがいいのかもね。】
「なんでネックって折れちゃうの？力入れすぎ？」
【普通に弾いてて力入れすぎてもネックは折れないなぁ笑。】
【ネックは楽器を倒したり、落としたりしたら折れる。】
「なーる。」
【よく、壁とかアンプとかに立てかけてる人いるけど、アレは絶対にやっちゃ駄目だよ。】
【ちゃんとスタンドを使う。】
「わかた！」
【スタンドが無かったら、床に寝かせて置くこと。】
「倒れちゃうんだね？」
【高確率で倒れる。】
【ちな、経験済み笑。】
「童貞じゃないんだ笑。」
【大人でしょ笑】
『うみゃ〜。』