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決断の時

世界中が【COVID-19】によってあらゆる所で影響を受けている今、私はオーストラリアから帰国する事を決めました。
海外からの帰国者からコロナウイルスが持ち込まれているといったニュースもある中で、なにか心が痛いというか、本当にこの決断が正しいのか、今帰国していいのか、悩む事もありましたが、
私に出来る唯一の決断が''帰国''でした。

今年に入り無事に新しいチームとも契約でき、メルボルンでの生活もサッカー選手としての生活もとても充実していた矢先に広まりはじめた''コロナウイルス''

リーグのサッカー協会よって発令された''リーグ開幕延期''
そして政府から発令された''ロックダウン''

具体的に何が起こったかって、
私達の生活の身の周りでこれまで普通に観光客や地元民を楽しませてくれていたイベントはなくなり、ご飯を食べるようなレストランの多くは店を閉め、必要最低限のお店意外は営業を停止するように定められた事により会社からリストラや減給を余儀なくされたり、失業をしてしまった人も少なくありません。

スーパーマーケットや銀行や薬局、ガソリンスタンドや医療関係、警察などの国の為に働かざる得ない人達はリスクもある中で働いてくれていました。

政府は、会社や学校はオンラインでの対処をすること、必要最低限の外出に留めること、そして外出は2人(自分以外1人)に制限することなど、自宅での待機を強く要請しました。守らなければ罰金を課せられる州もあります。


そして自分自身には何が起こったかというと、

チームの練習禁止。リーグ開幕の延期。

私の所属するVictoria州のNPLWリーグは
3月22日(日)に開幕する予定でしたが、1度目の延期の決断は3月17日(火)に出されたものでした。
開幕の5日前。その週末に開幕するはずだったのです。
これから始まるリーグへ向けた準備は整い、チームは試合の為に調整してきた矢先の発表でした。
その内容は4月14日まで延期、チームの活動は禁止というものでした。
私達はチームの練習も出来なくなり、必要最低限は家から出る事さえも出来ず、家の中で過ごす日々を余儀なくされました。
私はチームのお偉いさん、監督と話をしました。

今が我慢時だから開幕に向けて、各自でトレーニングを続けて、今の状態を最低でもキープしていこう!前向きに。チームみんなでひとつのチームだから。ここに残って、できる限りサポートするから、気持ちは落とさずに前に進もう!

って。言ってもらいました。
全員にひとりひとりにあった走りのメニューや、ジムトレーニングのメニューが渡されました。
気持ちを落とさず、1週間……2週間……過ぎた頃です。

4月1日……サッカー協会から
2度目のリーグ開幕延期が発表されました。
それは

5月31日まで引き続きチーム活動を禁止
それ以降についてのリーグ再開の目処は経っていない。

というものでした。
これまでチームのお偉いさんとこれからについて話し合って来ましたが、この時にチームから言われた事は、

スポンサー収入や試合での収入がない
申し訳ないけど選手への給料も払えない

という事でした。

・収入がない=家賃すら払えなくなってしまう可能性がある
・日本へ帰国する飛行機がいつ止まってしまうかもわからない
・これから先いつ飛行機が止まるか分からない為、帰国出来なくなる可能性がある
・もし自分がコロナにかかってしまった時に多額の請求になる可能性がある
・もし日本にいる家族がコロナにかかってしまったら、すぐに帰国できない

そこで私に決断出来る事は一択だったという事です…

ほんとに悔しくて、悔しくて、なんだろ、分からないです文に出来る言葉が分からないです。
だって……誰が悪いとかそういうのではないから。

楽しみにしていた今シーズンも、リーグ開幕までに積み上げてきたチームとの絆も、監督から求められ期待されていた気持ちも仲間とのコミュニケーションや信頼関係も、今はもう私がサッカーを通して表現でき返せる場所はもうありません。

帰国の日、、、
今の現状を変えることは出来ない。
けれど、またチャンスがあれば来年戻ってきて欲しい。

とチームのお偉いさんが家まで今シーズン着るはずだったユニフォームを届けてくれました。

思いがけず、いつも強気なお偉いさんが何度も何度も目からこぼれそうな涙を溜めながら
私達はあなた達がもう一度戻ってきてくれることを望んでいるし、待っている。
今は家族のもとで安全に体に気をつけて。

と伝えてくれました。
なんかやっとその時実感湧いたというか、ぽっかり穴が空いた感じの寂しさを感じました。

私は自分の可能性を広げるために、オーストラリアへ渡り、サッカー選手として活動を初めて約1年が過ぎ、本当に沢山の気付きがあり、出会いがあり、人にも恵まれメルボルンの地でサッカーに向き合い、英語を学び、沢山の人と出会い、自分自身の性格までも変わってしまうのではないかと思うくらい、よく言えばアホになれたというか……
自分で行動して自分で道を切り開き、もちろん沢山の支えがあって、周りに恵まれた事もありながら。人との繋がりを大切にする事や一人一人と向き合い方にも少しずつ気付けたと思います。この生活を支えてくれて関わってくれた方々に感謝です。

現在は日本で2週間の隔離を前向きに過ごしています。
オーストラリアから日本に帰国までの道のりの中で気付けたことは、
コロナウイルスの感染のリスクとも戦いながら、
空港内の職員さんやCAさんが少しでもストレスを少なく出来るように親切に対応してくださり、自衛隊の方々や検査をしてくれる方々もリスクもある中で働いてくれている人がいるということ。
医療現場で働く医師や看護師さんにも多く感謝の気持ちを届けなければなりませんし、私達が最低限の生活が出来るのは運送業の方々が物品を届けてくれているからでもあります。
まだまだ自分自身も知らない事も多いけれど、
自分達が知らない所で誰かの努力が自分達の生活を支えてくれているということです。
少しでも早くみなさんが安全に生きれる日々が来ますように。
ひとりひとりの心掛けで、思いやりで、必ず救えるはずだから。
頑張ろう、日本。

#頑張ろう日本 #世界中をハッピーに #スポーツの力 #女子サッカーを盛り上げよう #感謝を伝えよう #stayhome

女子サッカーの明るい未来を切り開く為に少しでも自分に出来るオーストラリアからの発信をしていきます。よろしくお願いします。