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パリパラリンピック水泳の見どころをまとめました

パラリンピックを楽しもうということで8月22日からX(旧Twitter)でほぼ毎日配信をしております。

これがもう楽しくて。

なんでかな?って思ったら、パラスポーツについて私はほとんど知らないんですよ。だから全部が新鮮で、発見ばかりなんです。

パラスポーツセッションズのメンバーでも、有識者であるパラ水泳の久保大樹さんも居れば私と同じ初心者であるアキさんとトミーという2名も居て、それぞれの目線で楽しもうとしているので、それも心地いいんです。

で。

もう既に配信も4日目が終わったのですが、久保大樹さんと私が担当した4日目の内容がかなり良かったので、note上で文字起こしして皆さんにお伝えします。

この日のテーマは「パラ水泳の見どころについて」。
こちらからアーカイブが聴けます。

久保さんによると誰がメダルを取るか?という視点よりは選手個々のストーリーを思い浮かべると面白いというのです。

これね、本当に大事なことだと思うんですよ。

というのも、私たちって基本的にパラスポーツを知らないわけですから、知らないもの同士のルールもよく分からない競技を見てもなかなかピンときづらいところがありますからね。

そもそもスポーツ観戦って、何も知らないところから無理に楽しもうとしても入ってきづらいと思うんです。多分ね、無理しているスタンスだと長続きしないですよ。

でもこれが選手のストーリーに着目すると別になる。
この捉え方は「熱闘甲子園」的だと思うんです。

甲子園って余程の逸材でなければ殆ど誰も知らないところから始まるんですけど、大会が進んでいくと徐々に様々なパーソナルな情報が出てきて、それぞれの選手に対して肩入れできるようになっている。

だから、気が付いたらその大会の中で「推し」が生まれる。

そうなってくると、その選手にとって良い結果が出ることを期待して観る。ルールは分からなくても、その選手をずっと見ているとなんか段々おぼろげに分かってくるという構造です。

だから、久保さんが仰られている見方っていうのは合理的なんです。

選手を知るところから始めると、競技も分かるようになる。これが逆だと難しい部分もあるってことですね。

そこで久保さんに注目選手について尋ねると一番最初に出てきたのが川渕大耀選手でした。

パラ水泳の選手団の中では高校1年生で最年少。久保さん曰く天才なのだとか。そりゃそうですよね。若くして台頭してくるっていうことはアスリート的な能力と学習能力が並外れているということです。

川渕選手の更に凄いところは、障害の軽いクラスでの出場ということです。

パラ水泳については障害が軽いクラスの方が競技人口が多いため、競争が激しいのだそうです。これまでに軽度障害のクラスには同じく若いころから台頭してきた天才:山田拓朗選手が居たのですが、昨年引退。

入れ替わるようにして新世代の天才:川渕選手が現れたというのは競技を線で観る立場としては運命を感じざるを得ないかもしれません。

久保さんによると、相撲の同部屋の力士のように障害の度合いが近い選手同士でコミュニケーションを取る機会が多くなるため、若手・中堅・ベテランがそれぞれ補完しあうような関係性なのだそうです。

これに類するところだとパラ水泳の第一人者として君臨し続けてきた成田真由美選手と同程度の障害を持つ由井真緒里選手も近い関係性で、未来に繋がる良い雰囲気を醸成していると話されていました。

バトンを繋ぐという関係性が見えると、それぞれの選手に対する思い入れも出てきますし、障害の度合いの近さが選手同士の近さにつながるというのは全く発想として無かったので面白い発見だと感じました。

また、初日の結果がとても大事になると久保さんは語ります。

水泳は個人種目でありながらチームとしての側面もあるため、初日の結果がチームとしてもとても大事なのだそうです。

初日のメンバーが好結果だとするとチームとしても乗っていけるのですが、自己ベストに遠い結果だとすると悪い流れを呼んでしまうこともあるため、初日に登場する由井選手と川渕選手の役割は大きいということでした。

個人種目でありながらチームメンバーとの関係性が深いことは良い方にも悪い方にも作用しうるというのは、オリンピックにも見られた光景でもあるのでとても納得感がありますね。

また、障害の度合いが大きくなると、体に懸かる負荷も相当なものになるという話もありました。

初日に50M平泳ぎに登場する鈴木孝幸選手は2004年のアテネから2024年のパリまで6大会出場している第一人者ともいえるアスリートです。

手足に重度の障害を持つ鈴木選手は手足が短く、左右のバランスが取れていないことからまっすぐ泳ぐことも本来は難しく、また一度のストロークでもなかなか前に進めないという難しさがあります。

なお、鈴木選手が50メートル進むのに必要なストローク数だと健常者は200メートル進めるので、単純比較で考えると4倍もの負荷がかかります。

鈴木選手のクラスはライバルとの闘いでもあるのですが、自分との闘いという視点で捉えるとまるで見方が変わると感じました。

鈴木選手を応援する傍らでライバルたちも等しく自分と闘っているのだとすると、競技そのものに対する尊敬の念が生まれます。

なお、鈴木選手はリオデジャネイロの時に獲得メダルなしだったのですが、東京パラの前にクラスが変更になり、自由形も泳ぐようになった結果金メダルを獲得しています。

現役を続けることによって運命が切り開かれることもあるというのは現役パラアスリートにとっても私たち視聴者としても感じるものがあると思います。

ただ一方で、現役を続けることによって競争率の高いクラスに変更になることもあるため、あきらめなければ夢が叶うことを意味するものではないのですが、続けていると何か変化があるというのはとても大事なことだと感じました。

久保さんは全ての参加選手の話が出来るということでこのままお話を聞いていたかったのですが、この日は限られた方のエピソードのみに留めています。

気になる選手のお話がありましたら久保さんのSNSで聞いていただけると何か回答があるかもしれませんよ。

…と、このような配信を毎日行っています。
そりゃ楽しいわけです。

正直なところ毎日はトピック的にも厳しいかと思いましたが、知らない分だけ無尽蔵に知りたいことは出てくるものです。

そして、知りたいことを調べたらその分だけ情報が出てくる。そしてそれを整理して話していると30分なんてあっという間です。多分気が付いたら9月9日の最終日になってしまっているのではないかなと思います。

そして最後に、パラ水泳のムードメーカーである齊藤元希選手がパラの公式インスタグラムで自己紹介をした時に何故か普段の決め台詞である「やる気、元気、齊藤元希!」を言わないところに久保さんは突っ込みを入れていました。

あ。
ちなみに。

齊藤元希選手が一度締めたあとで編集が入っており、決め台詞が付け足されたように見受けられました。※久保さんが見落としていたのか、後日編集で加えられたかは不明

いざ公式インスタの収録に入ったときに照れが出たのか、本気で忘れていたのかはご本人のみぞ知るところですが、齊藤元希選手がメダルを取ったときにこの決め台詞を使うか注目です。

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西尾克洋/相撲ライターの相撲関係ないnote
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