昼寝・小休憩には「膝下枕」がおすすめ!|整形外科医山田朱織

今日は「膝下枕」についてご紹介と説明をしたいと思います。膝下枕は名前の通り、膝の下に置いていただいて使う枕です。
どんな患者様に膝下枕を使って欲しいかというと、それはこちらの患者様です。

山田:どうしたんですか?
モデル:腰から足先までが痛くて痺れるんです。
山田:どちらの足が痛いんですか?
モデル:左足が痛いです。
山田:左足、、、腰から足にかけて痛みがあるんですね。

このように腰痛、坐骨神経痛の方は特に膝下枕を使って小休憩をとっていただきたい方です。しかし、健康な方でも何も症状のない方でも究極の短時間のリラックスのために膝下枕を使っていただくのもOKです。
このように膝下枕にはいくつかのサイズがあります。一人一人の体格に合わせてサイズを選んでいただく必要があります。では横になってみましょう。
お体格から拝見して中ぐらいのサイズを選んでみます。Sサイズといって直径が20cmぐらいの膝下枕になっています。
使い方としては仰臥位、上向きに寝ていただいて、手足を降ろしてリラックスしてみてください。足を持ち上げてください。
このように膝下枕をちょうど膝の曲がる部分の真下にくるように置きます。足先は少し開いていただいて必ずかかとが着地するように、布団の面に着地するように置いてください。

山田:どうですか?腰から足先までリラックスしますか?
モデル:楽になりました。

このとき注意ポイントがあります。膝下枕と同時に適切に高さの合った枕を使っていただくと全身がリラックスすることができます。今、枕も調節しているので頭から足先までリラックスすることができるかと思います。
山田:どんな感じですか?
モデル:全身がリラックスされています。

小休憩をとる場合、例えば時間で言えば20分から30分程度は寝返りを打たなくてもリラックスできますので、こういった小休憩をとる場合には是非、高さの合った枕と膝下枕を使って背骨全体をリラックスしていただければと思います。
実はこの姿勢、医学的にも「セミファーラー姿勢」といって、骨盤と腰、腰椎という腰の骨を結んでいる腸腰筋という筋肉を和らげるとても重要な医学的に検証された姿勢なんです。
脊柱管といって腰の骨の中の神経の周りの空間が広がると言われているように、腰痛の方、足が痛い方、坐骨神経痛の方にも使っていただける姿勢です。
ただし、病気の状態によってはこの姿勢も辛い方もいらっしゃるので、症状が増すようなときはもちろん専門の医師に相談していただくなり、この枕の使用は中止してください。

最後に注意ポイントです。どんなにこの姿勢が気持ちよくてもこのまま1時間、2時間、もしくは朝まで寝てしまうということのないようにご注意ください。
夜長い時間寝る時には寝返りが必要です。ちょっと寝返りを打ってみましょうか。
膝下枕があったらこのように寝返り打てないですよね。ですのでこのまま眠たくなってしまったときはどうぞ足で蹴ってください。
このように蹴って膝下枕を外して十分寝返りができるスペースを確保して寝ていただくことをお勧めします。
是非、今日から小休憩のときは膝下枕と共にとってみてください。

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