頚椎症の枕選びについて教えて!Part2~頚椎症を知ろう~|整形外科医山田朱織

頚椎症には頚椎症性脊髄症と神経根症があることをわかっていただけましたか?
ではこれを実際に解剖、首の骨や神経の造りに伴って説明をしていきたいと思います。ちょっと下手な絵を書いてみます。
私はいつも毎日患者様に首の状態、あなたの首の診断はこういう病気の名前で、そしてどういうふうに解剖学的に問題があるかということを絵に書いて説明して小さなメモを渡しています。
そのメモに書く絵を今日は白板に書いてみましょう。
人間の頭はなんと4kg。これが俯くと約20kg。それぐらい重たい頭が首に負担を与えています。
横向きの人間の顔ですよ。
そして、ここに首の骨があります。
人間の首は骨が7つあって、それは前に向かって緩いカーブを描いています。緩やかなカーブの中に1番、2番、3番、4番、5番、6番、7番、全部で7つの骨があり、骨と骨の間にはクッションとなる椎間板という軟骨があります。
骨と椎間板です。この骨と椎間板があるから人間の首は柔軟に動くわけです。
そして、この全体的な首の並びの後ろにとても大事な脊髄という太い神経があります。
この神経から、断面で見るとこういう黄色く見えてる神経から沢山の右と左に枝が細い神経が出ているわけですね。このような形で枝が出ています。
これを首の神経、頚神経と言います。
じゃあ皆さん、これ寝たときどうなると思いますか?枕に頭を乗せて首が寝た状態、当然これが寝たらこうなりますよね。この首の「角度」これがとっても大事なんです。
この大事な大事な角度は、頭の下に置いた「枕」この枕の高さによって、この大事な角度というのが決まってきます。
なぜ角度が大事なのかというと、この首の角度によって中の脊髄神経や頚神経がひどく圧迫されたりとても楽な状態になったり、良くも悪くも変わってしまうからです。
実際に私たちが何万例という患者様を研究してわかったことは、この角度が約15度前後になることが最も理想的な神経に優しい角度だということなんです。
角度は約15度前後、このことを覚えておいてください。

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