見出し画像

CIEMへの招待

この記事は「mohikanz Advent Calendar 2021」2日目の記事です。
mohikanzがどういうコミュニティかについてはこの記事をお読みください。
前回1日目はexpajpさんによる「夜型人間がちゃんと寝て健康になった話」でした。かなりためになるお話でしたね。

2日目の今回は僕が愛してやまない CIEM(Custom In-Ear Monitor) についてのお話です。

What is CIEM

CIEM (またはカスタムIEM) とは一言で言えばプロユースのオーダーメイドイヤホンです。もともとは音楽アーティストがステージでのモニタリング (演奏しながら自分たちの演奏の状態を確認すること) に使うことを目的として補聴器の技術をもとに開発されました。
使用者の耳にぴったりハマるように作るために耳の型を取ってそれに合わせて筐体を作成していることが特徴です。

プロユースを目的としていることやハンドメイドであることが多い性質上、普通のイヤホンよりも遥かに高価で一般人が手を出せるようなものではなかったのですが、ここ数年は生産技術の向上や東南アジアメーカーの参入などもあり一般の人でも手を出せるような価格帯の製品が多く登場しています。

日本ではフジヤエービックeイヤホンが主に取り扱っています。Web通販でも購入可能ですが、eイヤホンのカスタムIEM館では耳型を取るための施設が併設されており店舗内で全て完結するため、カスタムIEM館での購入がおすすめです。

CIEMの特徴

高音質

モニタリング用途のイヤホンは使用者にできるだけ正確な音を伝えることを目的としています。そのため、CIEMの音質は一般的なイヤホンに比べてめちゃくちゃいいです。どんな人でも聴き比べたらその劇的な音質の差に驚くでしょう。
また同じCIEMというカテゴリにあっても、メーカーやモデルによってかなり違う音作りがされています。いろんなCIEMを試聴して、自分に合った音のCIEMを探してみるのも楽しいですよ。

フィット感・遮音性

CIEMは耳型に合わせて作成されます。なので耳にはめたときのフィット感や「絶対耳からずり落ちない」という安心感は群を抜きます。
これが僕がCIEMを作ろうと思った一番の理由です。当時僕はいろんなイヤホンを買って試していたのですが耳に合うものを見つけられずにいました。
CIEMはそんな僕の耳にもバッチリで満足感が半端ではなく、僕はCIEMのおかげでイヤホン沼から抜けることができました。
また耳へフィットするため遮音性もすごいです。個人的には手持ちのノイズキャンセリングイヤホンと比較しても遜色ないほどです。僕は趣味でアーケードの音楽ゲームをプレイしに行くのですが、騒がしいゲームセンターでもCIEMを使うと驚くほどの静寂に包まれます。

堅牢性

CIEMはアーティストによりステージで激しく使われることを想定されているため、めちゃくちゃ頑丈です。レジンを利用した筐体により完全に密閉しているため汗や雨ぐらいはものともしません。そしてケーブルが交換可能になっているため、断線してもケーブルの交換だけで済むようになっています。そのため、一度買えば長く使うことができます。「耐久年数で考えれば安い買い物」ってやつですね。

筆者所持のCIEMの紹介

ここまでCIEMについてしこたま紹介して参りましたが、このあたりで僕の所有しているCIEMたちについて紹介させてください。僕は現在、2つのCIEMを所有しています。

UE5Pro

筆者所有のUE5Pro。フェイスプレートの色は自分で気に入ったものをオーダーできる
アルミ製のキャリーケースが付属。蓋には所有者の名前が彫られている


  • メーカー: ULTIMATE EARS

  • 価格: 67,800 (eイヤホン)

  • BAドライバー *2

  • 商品ページ

僕が初めて購入したCIEMです。
音はモニタ用らしくフラットで解像度がかなり高いです。聞いている音楽の鳴っているそれぞれの楽器を聞き分けられるほどの情報量があります。
お店で試聴したときに当時一番のお気に入りだった10proというイヤホンに近い音だったのでこのCIEMを選びました。
余談ですが、僕が買った当時は8万円だったのですが直後に価格改定で現在の価格にまで値下がりしました。ちょっと悲しい。

JH7

筆者所有のJH7。こちらはフェイスプレートだけでなくシェル全体の色やペイントも指定可能
JH Audioはケースに専用の乾燥剤も付属している
  • メーカー: JH Audio

  • 価格: 79,980 (eイヤホン)

  • BAドライバー *3

  • 商品ページ

JH Audioの創業者Jerry HarveyはCIEMの発明者として有名で、JH Audioは昔から憧れのメーカーでした。5proを修理に出すためにお店にいった際に一目惚れしてしまい、その場で購入してしまいました。
聴く者を包み込むようなウォーミーな低音が特徴的で、ライブ会場で聞いているような臨場感のある音を鳴らしてくれます。
購入後に知ったのですが僕の推しVtuberでアーティスト活動もしている樋口楓さんも愛用しているらしいようです。うれしいですね。

おすすめモデルピックアップ

ここまで読んでくださったみなさんはもうCIEMが欲しくなってきていると思います。そんなみなさんのために、個人的に初心者にオススメしたいモデルをいくつか紹介させていただこうと思います!
いずれもeイヤホンの実店舗で試聴できるモデル (僕もしています) なので、気になった方はぜひ足を運んでみてくださいね。

A3H+

  • 価格: 36,500 (eイヤホン)

  • BAドライバー *1, ダイナミックドライバー*1

CIEMの中では一番の低価格帯の製品になります。解像度の高いBAドライバーと低音の迫力が特徴のダイナミックドライバーを搭載しているモデルで、価格からは考えられないほど迫力のある音を聞かせてくれます。
手の出しやすい価格でもあるので、初心者におすすめのモデルです。

AISHA

  • 価格: 58,000 (eイヤホン)

  • BAドライバー *3

Flipearsは10万以上の高額になりがちなCIEM業界において低価格帯のモデルを数多く売り出している初心者におすすめしやすいメーカーです。
低価格ゆえ音質もそれなりかと思いきやそんなことはなく、特に今回紹介するAISHAはプロユースとしてかなりの水準にまとまっているモデルです。BAドライバーを3つ搭載して6万以下はかなりの価格破壊です。
耳型を取るときに専用の形状にする必要があるため、型を取るときには事前にFlipearsにするつもりであることを担当者に伝えておく必要があることに注意してください。専用の型だからといって価格が変わったりはしないので、そこはご安心を。

WST-ES10

  • 価格: 50,723 (eイヤホン)

  • BAドライバー *1

ULTIMATE EARSとならびCIEMの名門と称される老舗、Westoneの製品です。BAドライバーは1基のみとは思えないほど繊細でクリアな音が特徴の製品です。さらに一般的なCIEMは筐体全体がレジンで作られているのですが、WestoneのCIEMは耳にはめる先端部のみ特殊なシリコン (フレックスカナル) で作られており、耳へのフィット感や遮音性をさらに向上できるようになっています。

まとめ

  • CIEMとは耳型をとって作るオーダーメイドイヤホン

  • 性能は折り紙付きだし最近は安いモデルもたくさんある

  • カモンジョイナス

以上です。みなさんもぜひ素晴らしいCIEMライフを!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?