ウクライナ停戦への道があるとすれば、それは・・・・

      目黒真実(元日本語教師/肺腺癌ステージ4bにて在宅療養中)

 ウクライナ報道も落ち着きを見せ、やっとウクライナ戦争の原因に遡った議論ができるようになったように思います。原因に戻って考えなければ、解決の道も見えてこないわけです。
 ロシアとウクライナの歴史、ウクライナの東西の対立の歴史を振り返って考えった時、解決の道は一つしかないと思い始めています。それはウクライナの軍事的非同盟(中立化)と、クリミアと東部ドンバス地域に高度の自治権を与えた上でのウクライナ連邦という選択です。東部の分離独立ではなくて東西の連邦制、ここにしか国際法に則った停戦交渉の妥協点はないと思います。そして、プーチンとウクライナ国内の極右武装勢力が受け入れさえすれば、この停戦は可能です。本来なら、そのような仲裁に入る国が平和憲法の国日本であってほしかったのですが、対米隷属の日本政府にそれを求めるのは無理です。しかし、私たちが目指すのはそのような日本ではないでしょうか。
 それともう一つ大切なことがあります。アメリカが進めてきたロシア敵視の封じ込め政策(NATOの東方拡大)を改めさせて、欧州とロシアの間で新しい安全保障の枠組みを作り直すことでしょう。ここまで進めなければウクライナ問題の根本的な解決はありません。アメリカが望むウクライナ戦争のストーリーは冷戦の継続、つまりウクライナが長期の内戦状態となり、ウクライナもロシアも消耗戦に入り、やがてロシアが衰退して撤退するというストーリーでしょう。しかしそれは、多大な人命を犠牲として、しかもロシアという巨大な核兵器を持ったもう一つの「北朝鮮」を作り出すことになるのではないでしょうか。そして、核戦争の危機に今以上に怯える世界を作ることになるでしょう。
 どうしてそこまでしてアメリカはロシアや中国を敵視し潰そうとするのか?このグラフを見ながら考えてほしいのですが、ウクライナ戦争の本質が見えてくると思います。このウクライナ戦争で一番得をしているのは誰かということです。

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 計算したところ、世界の軍事予算の約4割以上がアメリカ一国で使われていることになります。アメリカ経済を支える最大のものが国防予算で、それなしにアメリカ経済が成り立たない構造になっています。永遠に敵を作り続けるしかアメリカの国家経済が成り立たない構造が見えてきます。その影の主役はアメリカの産業複合体であり、軍事産業であるわけです。軍産複合体というと特殊な産業と思われがちですが、自動車・電化製品・IT関連企業・薬品会社・・・・あらゆる産業が含まれます。ですから、アメリカにとって、軍事的緊張を作り出すことが、経済の活性化にはなくてはならないものになっているのです。これが「民主か専制か」という大義を振りまわし、自らの覇権を守るために中ロ封じ込めを図ろうとするアメリカの本質があるのではないかと思うのです。ロシアも同様でしょうが、資本主義そのものが戦争を必要とする経済なのかもしれないと思ったりします。
 原因に遡って考えれば、ウクライナ戦争は解決が可能です。それはウクライナの軍事的非同盟とウクライナ連邦制の道です。そこに向けて国際世論を盛り上げなくてはならないのだと思います。



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